IT知識・特許で説得力 社長賞生んだコンサル型営業キヤノンマーケティングジャパン 吉田真人さん

営業2年目には、光学式文字読み取り装置(OCR)を組み合わせたシステムを提案。非定型の書類でも複写機で読み取ってデジタル化できる仕組みを考えた。手で打ち込んでいた健康診断書の作業を自動でデジタル化するシステムを売り込んだ。要素技術は昔からあったが「顧客企業の課題を常に話し合ってきたから、できたことだった」。

◇     ◇

システムエンジニア(SE)として入社した吉田さんにとって、豊富なIT(情報技術)の知識も生きている。ペーパーレス化で事務機市場は今後、大きな成長は見込みにくい。営業に求められる能力は「機械を深く理解することより、ソリューションという形のないものを売る」ことだという問題意識があった。

その成果が表れているのがビジネス特許だ。プロジェクターやセンサーを組み合わせ、手の動作で投影したものを操作する会議システムなど、既に3~4件を保有している。ソリューションで競合と差別化するには「アイデアだけでは意味がない」(吉田さん)。技術とコストなど実現可能な裏付けを得た上で、特許を確保する。

タブレットで書類を撮影して記入漏れを一瞬でチェックするシステムなど、出願中のアイデアは10件以上にのぼる。顧客の課題と、先端技術とのマッチングができるというのが自身の強みになった。17年度には社長賞をとるトップ営業にまでなった。

それでも、「営業は強力なチーム」で成り立っているというのが持論だ。大学時代から人間観察が好きで、相手のしゃべり方や雰囲気を捉えるのが得意だ。大阪出身の関西人なので「突っ込める人を探すのが楽しい」という。営業先が何を求めているのかを理解し、コミュニケーションを深めることを常に心がける。

吉田さんにとって「大変だったけど一緒にできてよかった」というのが一番の褒め言葉だ。社内も顧客も巻き込み、機器売りにとどまらないサービス創出に腐心する。

(薬文江)

よしだ・まさと
2003年関西大工卒、キヤノン販売(現キヤノンマーケティングジャパン)入社。05年から機器回りのソリューション提案に従事。15年からエンタープライズビジネスユニット・ma事業部金融営業本部のチーフ職として大手金融機関を担当。

[日経産業新聞2018年6月7日付]

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