IT知識・特許で説得力 社長賞生んだコンサル型営業キヤノンマーケティングジャパン 吉田真人さん

キヤノンマーケティングジャパンの吉田真人さん
キヤノンマーケティングジャパンの吉田真人さん

キヤノンの国内販売会社キヤノンマーケティングジャパンは、事務機やカメラなどの機器販売と並行して、顧客の困りごとを解決する「コンサルティング」に力を入れている。社内でも珍しい、ビジネス特許を複数持つ営業マンとして、吉田真人さん(37)も隠れた需要を掘り起こして新しいサービスを提案している。

膨大な種類と量の契約書を取り扱う金融機関。キヤノンのプリンターや複合機を入れてもらうにはどうしたらいいか。「単に機能を紹介すればいいわけではない」というのが、現在生保業界を担当する吉田さんにとっての大前提だ。現場を見て、業務の流れを把握するのに奔走する。

ある時は、大量の紙が運び込まれる事務センターに一日中はりつく。帳票の仕分け、スキャン、保存、あらゆる作業を近くで観察。ストップウオッチを手に、「何人で」「何秒かけて作業しているか」を細かく分析する。またある時はオフィスの中で、社員が歩く動線や移動時間を計算。どこに事務機を置けばいいかを考える。

吉田さんが金融機関向けの営業担当に異動したのは3年前。それまでは機器と組み合わせるシステムの開発で営業を支援する「ソリューションスペシャリスト」と呼ばれる技術職だった。10年以上機器回りのシステムに携わってきたが、「顧客と直接仕事をする最前線にいってみたい」という思いは強かった。

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営業になりたての頃は苦労も多かった。ある顧客企業がスキャナーの導入を検討した時のことだ。吉田さんが提案した機器を担当者に実際に見てもらったところ、帳票サイズの違いで一気に処理できなかった。追加機能を使えば解決できた問題だったが、「紙の薄さや量を事前に把握していなかった」。結局、採用されず、競合メーカーに取られたのは苦い思い出だ。

システム開発で営業支援をしていた時は「きれいなシステム提案書をつくって持っていけば課題解決をできると思っていた」と振り返る。この失敗を教訓にして現場に泥臭く通い、自分で見聞きした事例から「このように使ったらこう変わる」と提案する営業スタイルにつながった。

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