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認知症の悩み、認知症だからわかる 当事者相談広がる

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NIKKEI STYLE

認知症の当事者が、同じ認知症と診断されて不安を抱える人の相談に応じる取り組みが広がっている。当事者にしかわからない悩みや苦しみを共有することで自信を取り戻し、前向きな気持ちになってもらおうという試みだ。認知症の本人が情報発信することで当事者の視点を取り入れた施策づくりにもつながりやすくなる。

「その話は、さっきもしたよと言われる」

「言われても気にしないで」

5月中旬。名古屋市の西区役所で認知症の当事者同士が語り合う相談会「おれんじドア も~やっこなごや」が開かれた。相談に応じるのは同区内に住む若年性アルツハイマー型認知症の山田真由美さん(58)だ。

相談会は認知症の本人同士や家族同士が話す場をつくりたいと山田さんが提案。行政や福祉関係者などが支援し、2017年6月から毎月第3土曜日に開かれている。参加費は無料だ。

この日、訪れたのは、認知症と診断された男性4人と女性1人、付き添いの家族。山田さんとテーブルを囲み、6人で約1時間半、日ごろの生活で感じたことや悩みなどを話し合った。別テーブルでは家族同士が集まり、情報交換をした。

2年前に認知症を発症した大野雅子さん(75)は、4カ月前から相談会に参加する。「自分だけがこうなのかと悩んだ。山田さんと話をしていて、私だけじゃないんだと、肩の荷が下りた」と語る。付き添いの夫、正孝さん(81)は「当事者同士だと、ざっくばらんに話せる。ここへ来るだけで前向きな気持ちになれるようだ」と話す。

山田さんは51歳の時に認知症と診断され、「将来への不安で落ち込んだ」。しかし、同じ認知症の同年代の女性と知り合い、励まし合うことで前向きになれたという。「認知症の人は、家では話さないことが多い。当事者同士だと、自分から話そうという気持ちになれる」と山田さん。

相談会には区内外から参加できる。山田さんは「閉じこもりがちになってしまっている人に外へ出て、元気になってもらいたい」と悩んでいる人たちに参加を呼びかける。

長崎県佐世保市に住む福田人志さん(55)は、高齢者施設で調理師として働いていた4年前、若年性アルツハイマー型認知症と診断された。認知症になり感じたことを詩にまとめて展示会を開いたのが医療関係者の目に留まり、17年6月から、市内の医療・福祉拠点内にある「若年性認知症支援相談室」の専任相談員を務める。

月~水曜の午前、市内在住で認知症になった人から不安や悩みを聞いたり、就労などの相談に応じたりする。

「認知症は当事者でないとわからないことが多い」と福田さん。「衰えるのはしょうがない。でも、できることはある」と、相談者が前向きな気持ちになってもらえるよう心掛けているという。

福田さんは、任意後見人の中倉美智子さんの支援を得て、17年、認知症の人や家族が集える茶話会「峠の茶屋」も立ち上げた。

毎月、1回、市内で開催し、時間は1時間半程度。参加は無料で、市外からの参加もできる。毎回、当事者と家族が20人ほど集まる。4月からは峠の茶屋が近隣に出張する「壱○八(いちまるはち)」も始めた。

◇  ◇  ◇

行政も連携 各地で語り合う場

2014年、本人の視点で政策提言をしようと当事者らが全国組織「日本認知症本人ワーキンググループ」を発足。厚生労働省は15年に認知症に関する総合戦略「新オレンジプラン」を作成、認知症に関する施策に本人の視点を重視する方針を打ち出した。

行政も本人と家族、医療・福祉関係者などと連携し始めた。認知症の当事者らが集い、自らの体験や希望、必要としていることを語り合う「本人ミーティング」は仙台市、東京都国立・立川市、大阪市など10超の地域で開催された。

東京都健康長寿医療センターは、認知症になったばかりの人に向けた「本人にとってのよりよい暮らしガイド」を発行した。製作には日本認知症本人ワーキンググループが協力。「何が起きて、何が必要か、自分から話してみよう」「のびのびと、ゆる~く暮らそう」「できないことは割り切ろう、できることを大事に」といった当事者からのアドバイスを紹介している。

(大橋正也)

[日本経済新聞夕刊2018年6月6日付]

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