そんな状況を変えようと民谷さんは情報交換のための報告会を始めた。週に一度、民谷さんを含めた商品仕入れ担当者が流行や商品の傾向を報告することで、売り場で働く社員も、各地を回る仕入れ担当と同じように顧客に最新の情報を提供できるようになった。部署の垣根を越えた連携が売り場の好調に結びついている。

売り場でのささやかな気づきも売り上げにつながる重要な要素を含んでいる。民谷さんが接客担当者と積極的に会話をするように心がけているのは「普段の雑談が思いがけない価値を生むことがある」からだ。

最近ではインスタグラムなどのSNS(交流サイト)を活用した情報発信にも力を入れている。従来はSNSによる情報発信も各部署がばらばらにやっていた。モード売り場では仕入れや接客、販促の部署が連携して情報を出し合い顧客に提供する。最新の情報を的確に提供できるようになり、百貨店があまりアプローチできていなかった20代の若い世代にも好評だ。

それでも「お客様の価値観は大きく変わっている。これまでのやりかただけでは通用しない。スピード感を持って新しいことに挑戦していかなければ」と危機感は強い。

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