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湿気+ホコリ対策がカビを防ぐ 梅雨時の収納対策

NIKKEIプラス1

2018/5/19付 NIKKEIプラス1

 本格的な梅雨入りを前に、室内のカビ対策をしておこう。浴室など水回りだけでなく、湿気がこもりやすい収納スペースにも注意したい。クローゼットと靴箱のカビ対策を探った。

 気温や湿度が高くなり始めると、カビの繁殖が気になってしまう。おそうじ本舗の技術アドバイザー、尾崎真さんは「カビは快適な温度と湿度、栄養の3つがそろうと一気に発生する」と説明する。

 カビにとっての好条件は気温20~30度、湿度60%以上。空気中に浮遊するカビの胞子は着床すると、汚れやホコリ、人間の皮脂、汗などの有機物をエサとして栄養を取り、成長する。

■すき間を確保 扇風機も有効

 クローゼットや靴箱は、浴室のように水を使うわけではないが、カビの温床になりやすい。扉を閉じている時間が長く、湿気がこもりやすいからだ。尾崎さんは「来客時以外はできるだけ扉を開けて」とアドバイスする。時々、扇風機の風を中に向けて入れ、換気すること、除湿モードでエアコンをかけることが有効と説明する。

 収納環境プランナーのすはらひろこさんは「収納は八分目を心がけて。まずは収納量を減らす整理から始めてほしい」と助言する。物をすき間なく詰め込むと通気性が悪くなり、湿気を含んだ空気が滞留する。物同士の間隔を少し空けて空気の通り道を作ろう。「ハンガーにつるした服は片手でスッと取れる間隔」(すはらさん)が目安になる。

 衣類や靴などを、引っ越し時の段ボールの中に詰めたままクローゼットにしまい込んでいないか、いま一度、確認しよう。「紙製段ボールは湿気を吸いやすいので要注意」(尾崎さん)。靴を購入時の箱の中で保管するのも同じ理由でNGだ。

 収納にはなるべく、不織布製の袋やカバーを使おう。特に大切な革靴や革かばんには不織布製の袋がおすすめ。革は主成分がタンパク質で、カビの餌食になりやすい。久しぶりに使おうと取り出してみたらカビだらけ、となってしまっては残念だ。

 シーズンオフの衣類も同じ。すはらさんは「クリーニング店に出したときにかかっているビニールカバーは通気性が悪い。必ず外して、不織布カバーへの取り換えをしてほしい」と話す。

 今の時期、頻繁に使う服や靴をしまう時も気を付けよう。丸1日着た服にはカビの胞子が付いている可能性がある。すぐクローゼットにしまわず、ホコリを払って湿気を飛ばしてからしまうのが正解だ。ドアフックなどに一晩つるしておくといい。

■もし生えたら 湯拭きと除菌

 すはらさんは「繊維クズや服に付着したホコリがクローゼットの隅にたまると湿気を吸い、カビの原因になる」と注意する。梅雨の時期は特に、フローリングワイパーなどで内部の床をこまめに掃除することを習慣付けたい。

 服と同様、丸1日履いた靴をすぐ靴箱にしまうのは避けよう。裏は汚れているし、中は足の汗で蒸れた状態。雨の日に履いたら、全体がぬれている。汚れを落とすだけでなく、一晩以上、靴箱の外で仮置きして乾燥させよう。すはらさんは「100円ショップの書類用トレイに1足ずつのせ、積み重ねて乾かす」ことを提案する。玄関のたたきが靴だらけにならずに済む。

 クローゼットや靴箱にカビが生えてしまったらどうすればいいか。尾崎さんに、手に負えなくなる前に実践できる正しい対処法を教わった。

 まず、中の物をすべて出して空にする。そして、50度以上の湯に少し浸し、よく絞った布でカビの生えた部分を包み込むように拭き取る。早く乾くように水ではなく湯を使う。「掃除機で吸わないように」と尾崎さん。カビの胞子が拡散するためだ。

 湯拭きして乾いたら、消毒用エタノールを適量、別の布かスポンジに含ませて拭き、除菌する。台所用のアルコール除菌剤でもいい。その後は扉を開けたまま中を乾燥させ、さらに半日ほど放置する。

 予防と再発防止には除湿剤が役立つ。市販品だけでなく、湿気を吸う重曹の粉末を口の広い空き容器に入れ、クローゼットや靴箱内に置いてもいい。「湿気を吸って表面が固まったら、そこだけ取り除いて新たな重曹を表面に加えれば、効果は持続する」(尾崎さん)。続けられる方法で梅雨を乗り切ろう。

(ライター 松田 亜希子)

[NIKKEIプラス1 2018年5月19日付]

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