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シニアの転ばない住まいづくり 敷物は全面が基本

階段も明るく

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NIKKEI STYLE

住み慣れた自宅で高齢者が転倒するなどしてケガをする事故が後を絶たない。事故によるケガがきっかけで介護が必要になる場合があるだけでなく、重いと命にかかわることもある。安全のためにバリアフリー化などの改装もできればよいが、身の回りのちょっとした工夫でも、こうした家庭内の事故を予防する効果が期待できる。

「リビングに敷いていたカーペットにつまずいて転倒、手首を骨折した」「クッションを踏み、バランスを崩して転倒した」――東京都が70歳以上の世帯を対象に昨年まとめた「シニア世代における一人及び二人暮らしの身の回りの危険」調査報告書には、こうした家庭内で起きた事故やヒヤリとした体験の事例が数多く紹介されている。

「家庭で起きる転倒事故の半分以上は65歳以上。特に75歳以上になると転倒や転落が多くなる」。東京都健康長寿医療センター研究所の金憲経研究部長は、高齢者の事故についてこう注意を促す。

転倒などの事故が起こりやすくなるのは、高齢になるにつれて筋力や視力などの身体能力が低下することが大きな原因だ。病気の療養やリハビリをする場合はさらに注意が必要になる。

ただ「注意して」というのは簡単だが、それだけで事故を防ぐのは難しい。家庭内の設備を工夫するなどして、「事故を起こしにくい環境を整えることも大切」(金研究部長)だ。

段差のある階段などでの転倒は、大きな事故につながりやすい。手すりを付けるなどの工事も大切だが、階段を下った最後の段から床に下りるときにも注意が必要だ。暗くて境目がわかりにくいことが多く、踏み外しやすいからだ。

こうした階段では、階段と床の色がはっきり違うように敷物を敷くなど、段差をわかりやすくすると転びにくくなる。照明をより明るいものに変えることも効果がある。

階段や玄関など段差のある場所ももちろんだが、平たんに思える居間でも事故は多発している。すねの前側の筋肉が衰えてくるとつま先が上がらなくなり、僅かな段差でもつまずきやすくなる。

 カーペットなどを敷く場合は、床との間に段差を作らないよう隙間なく敷き詰め、一部分だけ敷くのは避ける。後ろのあいたスリッパも転倒の原因になりやすいので、家族もいっしょにスリッパを使わないようにした方が安全だ。

子供や高齢者の事故の科学的分析に取り組む産業技術総合研究所の西田佳史首席研究員は「高齢者が歩く動線上にものを置かないことが大事」と話す。床や階段においたモノにつまずくだけでなく、薄い紙でも踏んで滑る危険がある。

特にトイレに行く通り道は、夜間に用を足す際に事故を起こしやすくなる。床にはわせた電源コードにひっかかって転倒する事故も多い。

冬になるとこたつの周りも危険がいっぱいだ。電源コードだけでなく、こたつ布団のすそに足を取られて転ぶケースも少なくない。こたつにサイズを合わせ、大きすぎない布団を使うようにした方が安心だ。

西田首席研究員は、住環境や日常使う道具などのデザインを工夫することで事故を防ぐ研究について「高齢者がどのようにものを使っているかのデータがまだそろっていない」と説明。経済産業省の委託を受け、動画ライブラリーを整備する取り組みも進めている。

住み慣れた自宅で事故を起こすかもしれないという意識は、高齢者自身も家族も持ちにくい。ヒヤリとしてから慌てないよう、自宅の環境を見直して事故を防ぐ工夫を心がけたい。

◇  ◇  ◇

事故の場所 6割が住宅

高齢者が日常生活のなかで起こす事故では、転倒や転落が圧倒的に多い。東京消防庁の「救急搬送データからみる日常生活事故の実態」によると、同庁管内では2016年、日常生活の事故が原因で65歳以上の高齢者を7万2198人救急搬送したが、その約8割が転倒で、転落をあわせると約9割に達する。

事故を起こした場所は住宅などの居住場所が60.9%と過半数を占め、道路や交通施設といった屋外の2倍以上。特に75歳以上では居住場所が66.8%と7割近くを占め、家庭内での事故が多いことがわかる。

高齢者の増加に伴い転倒などの事故による救急搬送は増え続け、搬送者の約4割は入院が必要と重症化しやすい。家庭内の事故をどう予防するかは重要な課題だ。

(編集委員 小玉祥司)

[日本経済新聞夕刊2018年5月2日付]

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