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冬物衣料の洗濯術 衣替え前につけ置きを 洗濯家 中村祐一

2018/5/1付 日本経済新聞 夕刊

 汗ばむ日が増える5月、冬物の衣替えはもうお済みだろうか。気温や湿度が上昇する季節は、汚れが付いた服に黄ばみや虫食い、カビなどが現れる危険が高まる。そうなる前に、しっかり洗濯してから衣替えするようお勧めしたい。

 コートなどの重衣料はすでにクリーニングに出したという人が多いだろう。そこで今回は、セーターなどのニット製品をしまう前の上手な洗濯方法をお伝えしたい。

 衣替えで冬物衣料を出してみたら、セーターの脇や首元が黄ばんでいた、という相談は非常に多い。そもそも洗わずに収納したという例もあるが、圧倒的に多いのは「洗ったのに黄ばんでいた」といったケースだ。

 原因は洗濯で落としきれなかった汚れ。特に皮脂が原因になっている場合が多い。衣類を長期間保管する前には、皮脂汚れに焦点を当てて、しっかり取り除いておこう。

 必要なのはたったの3ステップ。これで皮脂汚れがいつもよりスッキリと落ち、黄ばみなどが発生する確率は低くなるはずだ。

(1)洗濯表示(写真左上)を確認、水温の上限をチェックする

 まず、衣類の洗濯表示を確認する(写真(1)参照)。「家庭洗濯禁止」とあれば、クリーニング店など専門家に依頼しよう。

 洗濯が可能な衣類の場合は、洗濯表示の上限の温度のお湯を用意し、20分つけ置く。洗濯表示に30とあれば30度、40なら40度のお湯を用意する。手洗い表示であれば40度のお湯でよい。

(2)表示にある水温の上限でお湯を用意し、20分ほどつけ置きする

 お湯に中性洗剤を規定量溶かし、セーターを入れて20分間つけ置きする(同(2))。襟元や脇、袖口など、特に汚れが気になる箇所があれば、洗剤の原液をなじませてからつけると、皮脂を取り除きやすい。

 水温を上げる。皮脂汚れが多そうな箇所には洗剤を濃いままで使う。汚れがお湯に溶け出すまで時間を置く。この3点が、衣替え前のつけ置き洗いのポイントだ。

 つけ置きが終わったら、洗濯ネットに入れて洗濯機へ。衣類をデリケートに洗う「ドライ」「おしゃれ着」「手洗い」などのコースを選んだら、あとは洗濯機にお任せでよい(同(3))。このとき、柔軟剤を投入口にセットしておこう。洗濯が終わったら、形を整えて干せば完了だ。

(3)「ドライ」「おしゃれ着」「手洗い」などのコースを選んでスイッチオン

 皮脂汚れを落とすのは、30度以上のお湯でないとかなり難しい。普段は常温の水で洗濯している人が大半だろう。せめて保管前の洗濯だけは、必ずお湯を使って皮脂を溶かし、洗い流すことをお勧めする。

 洗濯前の手間こそ増えるが、つけておくだけ、後は洗濯機にお任せなので、実際に自分が手を動かす時間は短くて済むはず。皮脂をお湯で緩めて、冬の間についた汚れをしっかりと落とし、次のシーズンに備えてほしい。

中村祐一(なかむら・ゆういち)
 1984年生まれ。クリーニング会社「芳洗舎」(長野県伊那市)3代目。一般家庭にプロの洗濯ノウハウを伝える「洗濯家」として活動。「洗濯王子」の愛称でメディア出演も。

[日本経済新聞夕刊2018年5月1日付]

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