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Jリーグをもっと使ってよ 地域貢献の形多彩に Jリーグ開幕25年(下)

2018/5/1付 日本経済新聞 朝刊

ガイナーレ鳥取はスタジアムの芝の生産・管理ノウハウを生かし、耕作放棄地の再生に取り組んでいる(鳥取県米子市のチュウブYAJINスタジアム)=ガイナーレ鳥取提供

 1993年5月15日に日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が開幕してから25年。10クラブで発足したリーグはJ1、J2、J3と3部構成に拡大、現在は全国に54クラブが展開する発展を遂げた。各クラブの集客策をまとめた前編に続き、後編では村井満チェアマンにJリーグのこれまでとこれからを語ってもらった。村井氏は初代の川淵三郎氏から数えて5代目のチェアマンとなる。

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初代の川淵三郎氏から数えて5代目となるJリーグの村井チェアマン

 川淵さんが唱えた日本中に緑の芝生を増やすというビジョンは、Jリーグがなかったら今のようになっていなかった。スタジアムやクラブの練習場が整備され、校庭の芝生化も進んだ。目に見える成果だと思う。

 単純計算で50クラブに30人の選手がいれば、1500人の選手の雇用がある。クラブの職員も含めれば5000人弱がスポーツで生計を立てることを可能にした。

 地域密着の理念はバスケットボールのプロ化やプロ野球などにも影響を与えた。スポーツを人生の楽しみにする人口を増やす点で、他の競技とノウハウや人材を交換し互いの良さを学び合いながらウィンウィンの関係を築けていると思う。

■「地域奉仕」で見えてきた限界

 リーグは規約で次の3つを理念に掲げている。

 日本サッカーの水準向上及び普及促進。

 豊かなスポーツ文化の振興及び国民の心身の健全な発達への寄与。

 国際社会における交流及び親善への貢献。

 競技力の向上はワールドカップやオリンピックを見れば一定の成果は出ている。タイやベトナムやインドネシアの選手もプレーするようになり、クラブ単位での国際交流も盛んになった。

 2つ目の豊かなスポーツ文化の醸成はまだ道半ばだ。部分的に前進していても「国民」レベルの発達となると力不足を感じる。

 クラブはそれぞれのホームタウンで年間約1万7000回の地域貢献活動をしている。54クラブが1年に300回以上、つまり毎日のように学校や介護施設を訪ね、地域のお祭りに参加している。これ以上ないくらい熱心にやっているのにまだ足りないと感じるのは、どこかに構造的な問題があるのかもしれない。

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