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シニアに人気ヒップホップ 医大や自治体、効果を検証 介護予防へ期待

2018/4/25付 日本経済新聞 夕刊

ヒップホップダンスの基本となる「ダウン」の動きを練習する参加者(大阪府和泉市)

 介護予防や健康維持に役立てようと、60歳以上のシニアがヒップホップダンスに取り組んでいる。リズムに合わせて自由なスタイルで踊れるのが特徴。体を動かしたいシニアの間でダンス教室が人気を集め、イベントで踊りを披露する平均年齢70歳超のグループも登場している。認知機能や敏しょう性が改善するとの研究データもあり、シニアの健康作りを進める自治体が注目している。

 「それではミュージックスタート!」。4月上旬、大阪府和泉市の商業施設のイベントホールで開かれたダンス教室。女性講師2人の動きをまねて、60~70代の約30人のシニアが人気ポップスグループ「ABBA(アバ)」の曲に合わせて1時間ほど汗を流した。踊ったのはヒップホップダンスだ。

 参加者は9割以上が女性。友人に誘われて足を運んだ同市の宮川育代さん(75)は「運動すると言えばラジオ体操くらい。若い人のように音楽に合わせて踊るのも楽しい」と友人と笑顔でハイタッチを交わした。

 教室を開いたのは日本ストリートダンススタジオ協会(大阪市)。近畿地方を中心に社会人ら向けのダンス教室を展開していたが、中高年層の参加が目立つように。そこで2015年1月から60歳以上を対象に参加者を募ったところ、申し込みが殺到。シニア限定のヒップホップダンス教室も開くようになった。

 なぜ若者に人気のヒップホップダンスをシニアが踊るのか。同協会の吉田健一代表理事は「社交ダンスのようにパートナーや衣装は必要なく、誰でも気軽に始められる。自由なスタイルで踊れる魅力がある」と説明する。プログラムでは大きく手を振るなどシニアでも踊りやすい振り付けを用意。吉田さんは「定員を上回ることが多く、今後も参加者は増える」とみる。

 同協会は17年3月から、奈良県立医科大などと共同研究にも取り組む。ダンス教室は1カ月以上にわたって複数回参加してもらう。教室の初回時と複数回参加した後で単語の記憶力を問う筆記テストを受けてもらい、成績を比較。始めた後のほうが認知機能の向上やストレスの軽減に効果がみられたという。

 同大学の沢見一枝教授は「脳が活性化し、介護予防に一定の効果があることが確認された」と解説する。

 高齢者の健康づくりに導入している自治体もある。

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