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掃除機は毎日かける? 頑張りすぎない工夫 生活コラムニスト ももせいづみ

2018/4/17付 日本経済新聞 夕刊

 前にやったアンケートで「掃除機を毎日かける」という回答が7割を超えたことがある。対象者や設問によりこうした結果は変わるので一概には言えないが、私にとっては驚きの結果だった。一方で「嫌いな家事」を問うアンケートでは、常に「掃除」は上位にランクインしている。

 日本は衛生観念が高いうえ、素足の生活のためホコリや汚れに敏感だ。掃除のしやすさが住宅でも重視されている。たとえばフローリングはお手入れが楽ということで住宅の多くで採用されているが、一方で「朝、掃除機をかけても夕方にはホコリがダンスしていてストレス」「素足だと足跡が目立つので毎日水拭きしている」という声があるのも確か。

 表面塗装されたフローリングは凹凸が少ないため室内にホコリが舞い上がりやすい。鏡面仕上げや濃い色の家具類もホコリや手あかが目立つので、家事の時間が十分に取れない人にはストレスになることも。忙しい人は特に、ホコリが舞いにくく汚れが目立たない素材、色、家具の配置などを考えておくことが大事だと思う。

 ホコリが舞い上がりにくいのは、コルクタイルやクッションフロア、無垢(むく)の床材や畳。わが家では床にコルクタイルを敷いたことで、ホコリがダンスしなくなった。

 家具の隙間や段差が多いとホコリがたまりやすいので、ぴったり収まるサイズの家具を置く。たんすの上の空間は、地震対策をかねて上置きの棚を固定することで、ホコリ掃除の必要はなくなる。

 ホコリそのものの発生源も減らす工夫を。ダニ対策をかねて密度の細かい繊維の布団カバーを使い、ホコリがたまりやすい部屋はカーテンをブラインドにするなど、布類を減らす。紙類もホコリを呼ぶので、新聞や雑誌なども部屋の中にため込まないようにする。

 空気清浄機の使用も効果的だ。外気と通じる通気口にフィルターをつけるだけでもだいぶ違う。その上で、ホコリや汚れにおおらかでいることも大事なのだと思う。

 最近ではDIYペイントがちょっとしたブームだが、私も今の家の天井や壁、扉を自分たちで塗った。結果、ムラやはみ出しの多い家となったが、その方がホコリも汚れも気にならなくなり、結果掃除の頻度が減って驚いた。スポンジに白やグレーの塗料をつけ、家具にたたくように塗るとホコリが目立たなくなるアイデアもある。試してみるのも楽しそう。

 現代の家事はすればするほど資源を使うことになっている。掃除機をかければ電気が、洗濯をすれば電気や水、洗剤が消費されて、排水やゴミが出て環境に負荷をかける。こまめにやろうと頑張りすぎず、家事頻度を減らす工夫をすることが、結果的に地球環境にも貢献するのではないかと思う。

ももせいづみ
 東京都出身。暮らし、ライフスタイルを主なテーマとするコラムニスト。本コラムを含め、自著のイラストも自ら手がける。「新版『願いごと手帖』のつくり方」(主婦の友社)、「やれば得する!ビジネス発想家事」(六耀社)など著書多数。

[日本経済新聞夕刊2018年4月17日付]

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