くらし&ハウス

暮らしの知恵

ボウリング上達のコツ ピンは見ないで真っすぐ投げる

NIKKEIプラス1

2018/4/14付 NIKKEIプラス1

 ボウリング人気が再燃している。1960~70年代に腕を鳴らしたシニアが再挑戦する一方、五輪をにらんでジュニア育成も進む。最新事情を探りつつ、上達のコツをプロに学んだ。

 「長寿ボウラー番付」なるリストがある。男性80歳以上、女性75歳以上で月1回は楽しむ高齢者を日本ボウリング場協会が調べた。2017年度は6940人。10年間でボウリング場は2割以上減ったのに、長寿ボウラーは約3.2倍に増えた。夫婦で183歳という「横綱」もいる。

 シニア向けの教室を展開している同協会の岡田大明専務理事は「かつてマイボール、マイシューズを買った人も多く、健康志向の高まりともに番付入りを狙う人が増えている」と話す。「ボウリングなら若い人にも負けない」という気概もあるようだ。

 しかし、ボウリング界が本当に狙うのは、実は長寿ボウラーの孫やひ孫の世代だ。

 3月下旬、福岡市の「博多スターレーン」を訪れると、ジュニアボウリング教室が開かれていた。投球の基本動作やマナーをプロボウラーが楽しく教え、小学生を中心に約80人が参加した。費用は3日間で500円と破格だ。

 中村美月プロに優しく持ち方を教わりながら、小学生の川上玲奈ちゃん(8)が照れくさそうに投げる。「ボールが重くて難しい」という玲奈ちゃんだが、スペアを取ると笑みがこぼれた。教室の後には子供への教え方を学ぶセミナーが開かれ、山本由美子プロが「健康や自主性に役立つことを親や学校に伝えてほしい」と強調していた。

 ガターにならないレーンやボールを転がす「滑り台」など、最近のボウリング場は子供が楽しめるよう随所に工夫を凝らす。寺田正知支配人は「子供に楽しさを知ってもらうことが一番大事」と言う。

 個室感覚で楽しめる場所も増えている。東京都港区の「ザ・プリンスパークタワー東京」のボウリングサロンはアプローチが4レーンごとに仕切られ、バーを併設した。スポーツ総合誌「Number」(文芸春秋)が昨年、プロ並みの腕前を誇る桑田佳祐さんを編集長に据えて特集号を組むなど、ボウリング熱は着実に高まっている。

 せっかくなら上達してもっと楽しみたい。そこで同誌の特集で桑田さんと対戦した名和秋(なわあき)プロに教わろうと「相模原パークレーンズ」(相模原市)を訪ねた。

 名和プロの教えはシンプル。すべては真っすぐに投げるコツだ。ボウリング場のボールは重心をわざとずらしたプロのボールと違って、曲がりやすくできていない。だから「無理して曲げる投げ方はしない方がいい」という。

 ボール選びは重さよりも親指の穴が重要だ。指を入れて少し摩擦を感じながら回せる程度がベスト。(1)小指と薬指をくっつけるように握ると安定する(2)中央に立って右肩の前(右利きの場合)に構える(3)狙うのは5メートルほど先のレーン上にある三角のマーク「スパット」の右から3番目。「絶対にピンを見てはいけない」(名和プロ)(4)4歩助走で右足と右手を一緒に出しておろし、後ろから前に、というリズムで左手は横に広げてバランスを取る。

 ピンが左に残った場合は右側に立ち、対角線上に投げる。狙うのは1投目と同じ右から3番目のスパットだ。右に残った場合は左側に立ち、やはり3番目を通す。

 レッスン直後のスコアは138。ストライク2つにスペア3つ。悪くない。ただ、無意識にボールを回転させようと手首を返すクセが抜けない。クセを意識して別の日に投げたらブレが減り、155に上がった。200アップを目指してさらに2ゲーム。結果は101と95。疲れてスペアがまったく取れない。ほどほどでやめるのもスポーツのたしなみなのだ。

◇  ◇  ◇

■オリ・パラ参加目指す

世界選手権で優勝した今井さん(ラスベガス、17年11月)=全日本ボウリング協会提供

 2017年11月、米ラスベガスで開かれた世界ボウリング選手権で、今井双葉さん(熊本学園大学4年生)が優勝した。シングルスでの日本勢の優勝は初の快挙で、ジュニア育成の成果といえる。

 ボウリングは東京五輪の追加種目入りを逃したが「米国ではジュニアボウラーが増え、今後採用される可能性はある」(岡田さん)と望みをつなぐ。車いすや視聴覚障害者が簡単にできるスポーツでもあり、パラリンピックにも向いているのだ。

 岡田さんは「カーリング人気には刺激を受けた」と話す。ボウリングは知名度が高く、国体やアジア大会では採用されている。今の小学生が五輪メダリストになるのも遠い夢ではない。

(大久保潤)

[NIKKEIプラス1 2018年4月14日付]

くらし&ハウス

ALL CHANNEL