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延命治療や緩和ケアの選択 家族と具体的に話そう

望む最期のイメージを明確に

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NIKKEI STYLE

自分の最期をどのように迎えたいか。健康状態にかかわらず、将来の病気や加齢による衰えの可能性を踏まえて、終末期の医療やケアの希望を家族らと早めに話し合うことが欠かせない。人生の最終段階を満ち足りた気持ちで過ごすために、必要なプロセスを探った。

「できる限りの延命治療をしてほしい」「家族の判断に任せる」――市販のエンディングノートの多くは、延命治療に関する項目に印をつけることで事前の意思表明としている。

ところが専門家は、これだけでは希望をかなえるのは難しいと口をそろえる。自分らしい「生き」「死に」を考える会代表で内科専門医の渡辺敏恵氏は「延命治療を十分に理解してチェックを入れたかどうか分からず、医療現場で治療手段を判断する材料としては不十分」と話す。

最近注目を集めているのが、自分の意思を家族や医療従事者とあらかじめ共有する、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)と呼ばれるプロセスだ。神戸大学医学部付属病院特命教授の木沢義之氏は「医療の専門家や家族の力を借りて晩年の治療やケアの方針を決めることが必要」と話す。

重視するのは「個別の医療行為への希望の有無の前に、本人がどういう過ごし方を望むか」と在宅緩和ケア充実診療所、ケアタウン小平クリニック(東京都小平市)院長の山崎章郎氏は強調する。例えば口から食べることができなくなった時。栄養を取る手段に経鼻チューブ栄養や胃ろう、点滴などがあるが「一般の人が、全ての選択肢を理解したうえで考えを示すのは難しい」(木沢氏)。

 山崎氏の患者の一人は、胃ろうは望まないが「グループホームで最期を迎えたい」というのが本人と家族の希望だった。ところが誤嚥(ごえん)性肺炎で入院。希望に応える方法として、皮下点滴を提案。ホームでのみとりを実現した。

「本人や家族と病状を共有し、それを踏まえて本人の望む生き方を支えるのが医師の役割」と山崎氏。例えば半年後の孫の誕生を心待ちにする人に対し、医師はできる限りの延命治療を提案。回復が難しい人には、苦しい治療よりも好きなことをして最期を迎えるという選択肢を示す。

自分の希望は「診察の機会など、折に触れて伝えるとよい」(木沢氏)。手掛かりになるのが、思いをつづったノートだ。渡辺氏は晩年の生き方や医療について書き込む「私の生き方連絡ノート」を作成。「子供の結婚までは生きたい」「苦しい検査は嫌だ」などの例文を用意し、イメージを具体的な言葉にするよう勧める。

日本尊厳死協会(東京・文京)は1月、発行するリビング・ウィル(終末期医療における事前指示書)の書式に「私の希望表明書」を加えた。最期に過ごしたい場所、回復不能と医師が判断した時にしてほしくないことなどを記入する。

意思の表明は一度きりではない。「本人がそのとき大切にするもので、望む医療は変わる」(山崎氏)からだ。渡辺氏は考えが変わったらノートに二重線を引いて書き直し、変遷を残すよう勧めている。

厚生労働省は3月末に改訂したガイドラインで、人生の最期の医療やケアの決定にはACPが重要としている。一人では難しいからこそ、信頼できる相手と話してイメージを描くのがよさそうだ。

◇  ◇  ◇

かかりつけ医も重要に

健康時のACPは本人が家族らと考えを共有する作業が中心。晩年のACPは緩和ケアの現場で行われることが多い。「医師は病状から見た今後の患者の体の変化を患者や家族に伝え、どんな選択肢を望むかその都度考えてもらう」とめぐみ在宅クリニック(横浜市)の小沢竹俊院長。「患者の声に耳を傾け、痛みや苦しみを感じながら、意思を知る作業が必要」

終末期に限らず、健康時から患者に多く接しているかかりつけ医への期待も大きい。日本医師会(東京・文京)は在宅医療を担うことができるかかりつけ医を増やすための研修を実施。横倉義武会長は「ACPの意義を周知し、地域でみとるための技術力やコミュニケーション能力を高めるように取り組んでいる」と話す。

 ▼アドバンス・ケア・プランニング(ACP) 自分の人生で大切なことや希望する終末期の治療、ケアについて信頼する相手と繰り返し話し合うこと。意思表示ができなくなった時に治療方針の決定を委ねる代理人を、家族らから選ぶ。医療やケアの情報を得るため、医療・介護従事者を加えることが望ましい。

(相川浩之)

[日本経済新聞夕刊2018年4月11日付]

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