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シュナイダーエレクトリック日本法人の柳原大輔さん

シュナイダーエレクトリック日本法人の柳原大輔さん

フランス電機大手シュナイダーエレクトリックの日本法人で西日本支社長をつとめる、柳原大輔さん(42)。柳原さんは日本国内で初めて、同社のデータセンター向け大型空調機を受注し、全世界で働く社員を対象にした社内制度で表彰された。顧客が抱える課題を見抜き、製品の設置環境まで理解した営業で信用と実績を積み重ねている。

シュナイダーエレクトリックは電力関連機器や、工場の制御・自動化機器の世界大手。日本では生産設備の稼働データの表示パネルなど工場用機器と、無停電電源装置(UPS)などデータセンター用機器の2つが柱だ。

「三相三線200ボルトの電源が……」。希望がかなってデータセンター向け空調機など大型製品を提案営業する担当に着任した2012年。柳原さんは打ち合わせの場で飛び交う未知の用語に戸惑っていた。大型製品の提案には、製品以外にも設置現場の天井高や耐荷重といった建物関係や電源設備など多岐にわたる知識が求められる。専門用語のオンパレードだった。

その前年にIT(情報技術)関連商社から転職したばかり。前職でさまざまなメーカーのパソコンやサーバーをシステムインテグレーターなどの二次卸に売るなかで「自社製品を愛着を持って最終ユーザーに売りたい」という思いが膨らんだ。

専門的なやり取りは技術者に任せることもできる。けれど「自分で顧客の現場のこともわからずに売っていたら前職と変わらない」と、ヘルメットをかぶり何度も建築中の設置場所に足を運んで実地に知識を蓄えていった。「顧客に『知ってるね』と思ってもらえると信頼につながる」。知識と共に営業成績は伸び、翌13年には売り上げ目標を上回るようになった。

◇   ◆   ◇

設置現場まで知り尽くした製品理解と両輪をなすのは、柳原さんが「コンセプト売り」と名付けた顧客理解からスタートする戦略だ。「顧客の抱える課題の先に『こうしたい』という姿が出てくる。それをかなえるのが製品」というのが持論。訪問先でも最初は製品の話をせずに顧客の聞き役に回り、何が課題なのかをつかむ。顧客の課題がつかめたら、解決パターンを示す。そのパターンに同意してもらって初めて製品について話す。「初対面で『この製品、いいでしょう』と話し始めたら、うっとうしくないですか?」と明るい関西弁で説明する。

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