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エンタメ小説に相次ぐ新星作家、壮大な物語紡ぐ

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エンターテインメント小説の世界に新星が登場している。デビュー第2作が文学賞に輝く作家が相次ぐ。人類の進化や迫真の活劇、海外の内戦が描かれた壮大さが魅力だ。

2026年、多くの死者が出た「京都暴動」。原因はテロでもパンデミック(感染症の大流行)でもなく、東アフリカから来た「アンク」という名のチンパンジーだった。

「やりたいことを」

この謎に挑む霊長類研究者が主人公の長編「Ank : a mirroring ape」(講談社)は、今年の大藪春彦賞と吉川英治文学新人賞を受賞した。著者の佐藤究(40)は家族全員が殺人鬼という設定の「QJKJQ」で16年に江戸川乱歩賞を受けエンタメ作家としてデビュー、「Ank」は第2作だ。

「パニックスリラーは売れないという声も聞いた。でも自分は新人作家だし、出版市場が縮小するなか、次の本が出せるかどうかもわからない。自分がやりたいことをやりきることだけを考えた」と話す。それは映画「2001年宇宙の旅」のように人類史の謎に向き合うことだった。

04年に佐藤憲胤名義で書いた小説で群像新人文学賞優秀作に選ばれ、純文学作家としてデビュー。単行本を2冊出すが、その後は刊行できない時期が続いた。

「編集者から乱歩賞への応募を勧められたが、エンタメは簡単じゃなかった。(フランスの精神分析家)ジャック・ラカンの本などがきっかけで、殺人を突き詰めて考える小説が生まれた」。次は暴力を新たな表現で描きたいという。

昨年の大藪賞を「リボルバー・リリー」(講談社)で受賞したのは長浦京(50)。関東大震災後の東京などを舞台に、特務機関で訓練を受けた女性が、消えた陸軍資金の鍵を握る少年を守り、陸軍やヤクザと闘う冒険活劇だ。

「(江戸前期、辻斬り集団と幕府の掃討使との死闘を描いたデビュー作)『赤刃』の次をどうしようと考えたとき、時代を変えてピストルを持たせたいと考えた。かっこいい女性を書こうとしたら、ハードボイルドになっていた」と長浦。

放送作家だったが、30代で難病の潰瘍性大腸炎を発症する。「小説を書くことしかできない」との思いで取り組んだのが「赤刃」。「リボルバー・リリー」を書き始めると、大腸がんが見つかった。「2作で終わりかもしれないと思い、面白いと思うことを詰め込んだ」

ポル・ポトに興味

個人情報を提供する代わりに豊かな生活が保障される米国の実験都市が舞台の連作短編集「ユートロニカのこちら側」で15年にハヤカワSFコンテスト大賞を受賞し、デビューを果たした小川哲(31)。第2作「ゲームの王国」(上下巻、早川書房)は今年の日本SF大賞を射止めた。

上巻では1970年代のカンボジアが描かれ、政治指導者ポル・ポトの隠し子とされるソリヤと農村生まれの神童ムイタックが出会う。下巻では時代は2023年に飛び、ソリヤは政治家となり、大学教授のムイタックは脳波を使ったゲーム開発に取り組む。

「第2作はアジアを舞台にしたいと思い、友人が仕事をしていたカンボジアの文献を調べるうち、ポル・ポト時代に興味を持った。ここまでの大虐殺があったのはなぜか。それを民衆の視点からとらえたいと思った。ゲームの天才を登場させたのは、ゲームの哲学に興味があったから」と小川。

東京大学大学院で数学者アラン・チューリングの研究をするかたわら、小説を書いてきた。「読書は時間がかかる。読んでもらうにはストーリー、キャラクター、情報などの密度が必要。それには書き手が汗をかかなくては」と考える。

先のことなど考えず、目の前の小説に全てをつぎ込む。3人の潔い姿勢が高い評価につながったようだ。

(編集委員 中野稔)

[日本経済新聞夕刊2018年4月3日付]

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