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ビオラ、もう「地味」じゃない ソロ演奏の場広がる

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オーケストラの中で、ビオラは地味な存在だ。しかし近年、室内楽やソロでも活躍する奏者が増えている。ビオラが主役の演奏会やCDもある。もう、バイオリンの陰にいる楽器ではない。

「私がバイオリンからビオラに転向した二十数年前、親は悲しくて泣いていた」。こう打ち明けるのは、ベテランの川本嘉子だ。かつては、バイオリンに"挫折"した奏者がビオラを手にするものだったからだ。

N響でけん引

しかし川本は、そんな理由でビオラ奏者になったわけではない。1990年、米国の音楽祭で深く美しいビオラの音色にほれ込み、自ら転向を志願した。やがて東京都交響楽団に入り、2002年にはソロ奏者として独立した。当初はビオラのための楽曲が少なく苦労したが、レパートリーの拡大を続けた結果、ソロ活動も活発になった。昨春からは、NHK交響楽団の首席客演奏者も務めている。

N響で川本とビオラセクションをけん引するのは、08年から首席奏者を務める佐々木亮だ。N響の公演には佐々木が年に60回ほど、川本が30回ほど出演する。佐々木も当初はバイオリンを学んでいたが、あるときビオラを演奏する機会があり「その楽器がフィットして、僕にはビオラしかないという直感が働いた」という。今やオーケストラの仕事だけでなく、室内楽や他の奏者とのコンサートなど幅広く活躍している。

東京フィルハーモニー交響楽団の首席ビオラ奏者である須田祥子も、強い個性を持つ。13年から「ビオラは歌う」というCDシリーズの録音を始め、歌曲、オペラ、ビオラ・ソナタ、ポピュラーソングまで幅広い楽曲を取り上げている。

「CD制作は奏者としての経験を生かす格好の場」と話し、ビオラが"主役"にもなれる楽器であることを証明している。東フィルはオペラを演奏する機会が多いため、歌心のある表現は須田にはお手のものだ。

ビオラはバイオリンより音域が5度低く、姿形はほぼ同じだが、サイズは一回り大きい。オーケストラではバイオリンが主旋律を、ビオラは伴奏を担うことが多く、それが、ビオラの地味なイメージの一因になっている。バイオリンに比べると「協奏曲」でソロを弾く機会も少ない。

オーケストラ活性

そんなビオラの地位を上げたのが、今井信子だ。欧米でソロ奏者、指導者として尊敬される存在で、小澤征爾らマエストロたちからの信頼もあつい。そんな今井は1992年、日本で「ヴィオラスペース」という、世界でも珍しいビオラのための音楽祭を創設した。

コンサートを開催してビオラのレパートリーを増やすこと、若手奏者のための講習会、コンクール(3年に1回)という3つの柱からなるこの音楽祭は、多くの奏者を育成してきた。27回目となる今年は5月26日~6月8日に東京、大阪、名古屋、仙台でコンクールや演奏会などが開かれる。

「ヴィオラスペース」が始まった当初、若手だった奏者は今や音楽祭の主力だ。毎年のようにヴィオラスペースに出演する佐々木は「今井さんの功績は計り知れない」と強調する。

力量のある奏者の台頭は、オーケストラの活性化にもつながりそうだ。読売日本交響楽団の2人のソロ・ビオラ奏者(首席)である鈴木康浩と柳瀬省太は、競い合うようにオケ、室内楽、ソリストの活動を並行させている。「ソロは自分と向き合う大事な活動だが、オケで柳瀬さんが横にいることで刺激になる」と鈴木。一方の柳瀬は「僕らは本来、目立つ必要はない。屋台骨を支え、結果的に音楽が良くなればそれでいい」と控えめに語る。

今井は「ビオラという楽器の可能性を高めるとともに、次世代の人材を見つけることが重要」と言う。能力ある奏者が主体的にビオラと向き合い、試行錯誤を続けることで、その存在感はさらに高まりそうだ。

(岩崎貴行)

[日本経済新聞夕刊2018年4月2日付]

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