飲食店向けのアプリ、「カタカナ使わず」売る達人
ビックカメラ 鈴木重勝さん
ビックカメラの鈴木重勝さん。客に伝わるまでとことん説明するのが信条だ
ビックカメラの鈴木重勝さん(44)は小売・飲食店向けPOS(販売時点情報管理)レジアプリを販売する。2017年に同社が指定する「注力商品」で全国屈指の売り上げを上げ、リクルートライフスタイル(東京・千代田)が1月に開いたPOSレジアプリ戦略説明会では売り場の顔として紹介された。「全ての人に親切丁寧に」と、客に伝わるまでとことん説明する。
「今日は鈴木さんいる?」。JR新宿駅近くにあるビックロ・ビックカメラ新宿東口店の地下2階。リクルートライフスタイルのPOSレジアプリ「Air(エア)レジ」の専門販売コーナーには、飲食店や小売店の店主がひっきりなしに訪れる。鈴木さんは同コーナーの主任だ。
無料のサービス
エアレジは注文入力や会計、売り上げ管理を米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」やタブレット(多機能携帯端末)「iPad(アイパッド)」にインストールするだけで使える無料のサービス。13年11月からサービスを始め、17年末時点で30万店を超える店舗が導入している。
「レジと言っても多種多様だ」。定食を中心とした飲食店ではレジに置いたタブレットで客が注文した商品を入力すればよいが、商品数が多い小売店ではバーコードリーダーを使った方が効率がよい。
あるネイルサロンのオーナーからは「POSレジで誰の売り上げか分かるようにできないかな」と相談を受けた。この店舗では個人の売り上げに応じて給与を増やす仕組みを導入していた。そこで同じ5000円のコースでも「田中さんの5000円コース」「山田さんの5000円コース」といった項目に分けてみたらどうかと提案した。鈴木さんは「求められている内容をきちんと把握して、エアレジの機能で対応できるものは解決する」と胸を張る。
ではどうやって客のニーズを聞き出すのか。「お客様に『何でも聞いてください』と言うのはダメ。それではお客様は何も質問できない」。インターネットなどで商品の情報を集めてから来店する人は多い。ただ「何となく分かっているけれど、実感に基づいて理解できているわけではない」からだ。