出産と子育て継続サポート 日本版ネウボラ広がる行政、担当部署の連携密に

2018/3/28付
文京区のネウボラ面接では、乳児用肌着など1万円相当が入った「育児パッケージ」を贈る(3月上旬、東京都文京区)
文京区のネウボラ面接では、乳児用肌着など1万円相当が入った「育児パッケージ」を贈る(3月上旬、東京都文京区)

出産や育児で悩み、課題を抱える母子を支えるワンストップ拠点「子育て世代包括支援センター」が各地に広がっている。母子への支援は、出産の前と後で担当の部署・機関が異なることが多く、連携不足から支援が途切れたり、不十分になったりしがちだ。参考にしたフィンランドの事業名から「日本版ネウボラ」とも呼ばれる同センターが調整役となり、切れ目のない支援の提供を目指す。

「助けてくれる親族や知人もいない。子供を育てる自信がないんです」。東京都文京区が2015年度から始めた「ネウボラ面接」では、出産や育児に不安を抱く妊婦からこんな相談が寄せられる。

ネウボラはフィンランド発祥の子育て支援拠点で、「助言の場」の意味。妊娠期から子供の就学まで子育て全般を専属の保健師らがサポートする。

日本では妊産婦や乳幼児に提供する公的サポートの多くは、行政の担当部署や施設が異なりがちだ。妊娠期の医療中心の支援から、出産後の子育て支援、虐待防止、保育などの福祉支援に移行する際に連携が不十分になったり、支援が途切れたりする懸念があった。

国は16年に母子保健法を改正。ネウボラの考え方を取り入れた子育て世代包括支援センターの設置を17年度から自治体の努力義務とし、情報共有や連携を強化する調整役と位置づけた。

文京区は法改正に先立つ15年度に同センターを設置し、区内の地区ごとに担当の母子保健コーディネーターを置いた。支援が必要な母子には介護保険のケアマネジャーのように、各種支援を組み合わせた支援プランを作成する。育児不安が強い母親向けに助産師らの育児指導を受ける宿泊型ショートステイも始めた。

ネウボラ事業で特に重要なのが、育児不安や養育環境に問題がある母子をどう発見するか。同区では、妊娠届の提出のため区役所を訪れたすべての妊婦を対象に保健師がネウボラ面接を実施。15年度から面接後に乳児用肌着など約1万円相当の「育児パッケージ」を贈るようにしたところ、面接率は約5割から約8割に上昇した。

ウェルエイジング 健康で豊かな人生のヒント