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ラジオとの出合い手助け 番組で全国の面白い放送紹介

2018/3/27付 日本経済新聞 夕刊

吉田尚記アナ(左)とやきそばかおる氏による「週刊ラジオ情報センター」の収録(東京都千代田区)

インターネットを通じて全国のラジオ番組を聞ける時代になったが、数が増え何を選ぶかが難しい。そこで、面白い番組を紹介するなど、ラジオとの出合いを手助けする試みが進んでいる。

「このパーソナリティーはもともとミュージシャンで、クラシック音楽にも詳しいんですよ」。今月上旬、ニッポン放送(東京都千代田区)でライブ配信サービス「ツイットキャスティング」を使い「週刊ラジオ情報センター」の収録が行われていた。同局の吉田尚記アナウンサーやコラムニストのやきそばかおる氏が週1回、全国のラジオ番組から注目すべきものを紹介している。いわば、番組を推薦する番組だ。

■91放送局から選択

番組は2016年秋に始まった。ネットでラジオが聞ける「radiko(ラジコ)」が無料の聞き逃しサービスを開始したタイミングだ。今や月額350円を払えば全国の番組が聞けるようになっているが「面白い番組がたくさんあるのに、それを知る機会がない」と吉田アナは語る。

和歌山放送で土日の早朝に流れる県民歌など、マニアックかつユニークな情報も積極的に流してきた。「全国区ではないが、面白い番組や変わったパーソナリティーを取り上げることで、聞いてみるきっかけを作りたい」(やきそば氏)。地方の番組MCがゲストにやって来るなど交流も生まれているという。

ラジコで聞ける番組は増え続けている。3月上旬時点で、AMラジオ47社、FM、短波を合わせると91の放送局が参加。選択肢が増える一方で「自分に合った番組が分からない」と言った声もあるという。ラジコではホームページ上で「ラジオ初心者のためのシーン別おすすめ番組」として例えば「通勤・通学のとき」や「お料理中」に聞くとよさそうな番組を提案している。

ラジコの大塚直仁業務推進室次長は「初めて聞いた番組が気に入らなければ、ラジオ自体を聞かなくなる。まずは面白いと思ってもらえるようにしたい」と狙いを話す。利用者の好みに合わせた番組を推薦する機能を付けることも検討中だ。初心者だけではなく「聞き慣れた方にとっても新たな出合いがある」(大塚次長)。そんな場になることを目指している。

■音楽きっかけに

「Abema TV」のラジオチャンネルは独自の編成で放送

インターネット放送局の「Abema(アベマ) TV」は昨年12月、スマートフォン(スマホ)などで聞ける「ラジオチャンネル」を開設した。「いつでも旬な音楽が聴ける」をテーマに、全国9局の音楽番組から独自の編成を組んで放送している。リスナーは全国どこにいても無料で聞くことができる。

北海道の「NORTH WAVE」や東京の「J―WAVE」などのFM局のほか、東京の文化放送や福岡市のKBCラジオなどAM放送の番組も含まれている。アベマTVの藤井琢倫編成制作本部長は「決まった番組しか聞かなくなるリスナーは多い。新たな番組の発見をしてもらいたい」と話す。音楽番組を中心としたのは「音楽はラジオの中でも強いコンテンツ。ラジオをあまり聞いたことのない若い層にも届きやすい」からだという。

ネット上の番組画面にはコメント欄があり、ユーザー同士が曲の感想をやりとりできるほか、番組でかかった楽曲の情報をスマホの画面に表示するなど、使いやすさも重視している。今後はオリジナル番組も制作する予定だ。

今やラジオ受信機に触れたことがなく、ラジオはスマホで聞くものと思っている若者も多い。ニッポン放送の吉田アナは「これまでラジオはピーアールが足りなかった。まだまだやれることはあるし、成長できる世界だと思っている」と新しいリスナーに期待をかける。

(文化部 赤塚佳彦)

[日本経済新聞夕刊2018年3月27日付]

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