「プレイボール」「タッチ」… 名作野球マンガに続編

アニメ「メジャーセカンド」(C)満田拓也・小学館/NHK・NEP・Shopro
アニメ「メジャーセカンド」(C)満田拓也・小学館/NHK・NEP・Shopro

野球マンガの名作に続編が生まれている。約40年ぶりに“復活”した「プレイボール2」をはじめ人気は上々。テレビアニメ化される作品もある。新しい読者を発掘しているようだ。

「プレイボール2」の一場面(C)ちばあきお・コージィ城倉/集英社

谷口タカオ率いる都立墨谷高校が強豪校に挑むちばあきお「プレイボール」。1973~78年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載、コミックス全22巻が出版された。その後も判型の違うコミックスが出て、2005年にはテレビアニメになるなど、中学野球を扱ったちばあきお作品「キャプテン」とともに根強い人気を誇る。

40年ぶりに復活

その続編「プレイボール2」の連載が「グランドジャンプ」(集英社)で昨年始まった。ちばあきお氏は1984年に他界しており、続編の作者は「砂漠の野球部」「おれはキャプテン」などの野球マンガで知られる漫画家で原作者のコージィ城倉氏だ。現在2巻まで刊行され、発行部数は合計で20万部と好調な売れ行きだ。5月には第3巻の発売を予定している。

コージィ城倉氏

続編の第1話にはピンク・レディーがテレビで新曲「サウスポー」を歌う場面があり、時代は78年とみられる。「『プレイボール』は『キャプテン』とともに折に触れて読んできた。続編を依頼されたとき、どの時点から始めるかをいろいろ考えた。現代風にするのは違うだろうと思い、『プレイボール』の終了からすぐの時点を選んだ」と城倉氏は振り返る。谷口キャプテンの下、丸井、イガラシ、井口らが甲子園を目指す。

城倉氏は「名作を引き受けたというプレッシャーはない」と言う一方で「どれだけ本家に似ているかが大切であり、その点では自分の作家性を抑えることが求められている」とも話す。ちば作品から離れないようにするため、新しいキャラクターを登場させる予定はないという。「ストーリーの面白さがあれば現代の読者もついてきてくれる」と自信を見せる。

新たな読者発掘

メジャーリーグで活躍する茂野吾郎の半生を描いた満田拓也「MAJOR」の続編も、2015年から前作と同じ「週刊少年サンデー」(小学館)で連載中。この「MAJOR 2nd」のコミックスは現在13巻までで、累計発行部数は560万部を突破した。「MAJOR」に続きテレビアニメ化、4月7日からNHK・Eテレで放送される。

「2nd」は吾郎の長男である大吾が主人公。天才肌の父と比べられ、苦しみながらも野球に取り組む姿が描かれる。「MAJOR」時代からの読者はもちろん、その子供世代にも好評だという。「熱血で自信にあふれた吾郎に比べ、控えめだが、まじめな大吾に共感するといった反響を多数いただいている」と担当編集の袖崎友和氏。

アニメ化を手掛けるNHKの制作統括、米村裕子氏は「主人公の大吾はテレビを見てくれている子供たちにとって等身大の人物。かつて『メジャー』を見ていた親世代とともに、家族みんなで見て、勇気づけられてほしい」と期待する。

このほか、あだち充の大ヒット作「タッチ」の続編ともいうべき「MIX」も、12年から「ゲッサン」(小学館)で連載中。コミックスは12巻まで刊行されている。双子の上杉達也・和也と幼なじみの浅倉南が登場した「タッチ」から26年後の明青学園が舞台。立花投馬、走一郎という義理の兄弟が、達也らが出場して以来の甲子園を目指す。

「マンガはどんな名作でも、時代に消費されがち。リメークを通じて現在の新たな読者の発掘につながる」とマンガ評論家の竹内オサム氏は指摘する。続編によって、名作マンガにも再び光が当たりそうだ。

(編集委員 中野稔)

[日本経済新聞夕刊2018年3月20日付]

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