「黒田日銀」の2期目は? デフレ脱却や出口模索

日銀の黒田東彦総裁は4月から、57年ぶりと異例の2期目に入る
日銀の黒田東彦総裁は4月から、57年ぶりと異例の2期目に入る

日銀の黒田東彦総裁の再任が決まり、2018年4月から2期目が始まるようだわ。1期目は金融緩和政策を続け、景気を改善しようとしてきたみたいだけど、今後はどんな課題に向かうのかな。

「黒田日銀」のいままでとこれからの取り組みについて、関満子さん(50)と鈴木まり子さん(40)が清水功哉編集委員に聞いた。

――過去5年間の黒田総裁の政策はどうでしたか。

日銀は黒田氏の就任直後の2013年4月、世の中に巨額の資金を供給する金融緩和政策(通称、異次元緩和)を始めました。16年には短期金利をマイナスに誘導したり、長期金利をゼロ%程度に誘導したりする政策に踏み切りました。株式の下値不安を和らげるため上場投資信託(ETF)購入も増やしました。

大胆な緩和策が円安や株高をもたらし、人々の心理好転で景気が上向いた点は評価できます。特に雇用環境の改善が目立ち、17年の完全失業率は2.8%と1994年以来23年ぶりに3%を割り込みました。意思があれば働ける「完全雇用」の状態です。物やサービスの価格(物価)の上昇率もプラスに転じました。

ただ目標の2%は実現しないままで、物価がマイナスに戻る懸念が消えた「デフレ脱却」状態にはなっていません。目標が実現しなかったのは、消費増税や原油安が逆風となった点もありましたが、長年の物価下落を背景に経営者をはじめ人々のデフレ心理が根強いのも大きいといえます。実際、賃金上昇の勢いはあまり強まりません。今度こそデフレ脱却を実現し、緩和を終える出口政策にも着手するのが次の5年の課題です。

――黒田氏はなぜ再び任命されるのですか。

日銀総裁が2期目も務めるのは57年ぶりで異例です。安倍晋三首相が黒田氏を再び任命するのは過去5年間の手腕を評価したためですが、政治的事情もありそうです。交代させれば、首相の経済政策「アベノミクス」が順調でない印象を与えかねないとの判断も働いたとみられるのです。

今回、副総裁の一人に、緩和策推進を重視するリフレ派と呼ばれる専門家の若田部昌澄早大教授を起用します。もう一人は日銀で金融政策の立案部門の経験が長い雨宮正佳理事が就きます。緩和政策の円滑な運営を補佐する役割に期待した人選でしょう。

次のページ
ちょっとウンチク