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吹奏楽・ロック… チェロの可能性、若手が拓く

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クラシック音楽の楽器というイメージのある、チェロ。しかし近年は、吹奏楽、民族音楽やロックなどさまざまな分野で活躍している。チェロという楽器の可能性が広がっているようだ。

「僕は吹奏楽が大好きで、一ファンとしてコンサートに通っている。弦楽器が入ったオーケストラとは違った魅力がある」。こう話すのは、宮田大だ。日本を代表するチェロ奏者で、クラシックの世界で十分な地位を築いている30代の名手だが、4月にプロの吹奏楽団と共演する(21日、東京芸術劇場での東京佼成ウインドオーケストラの公演)。管楽器が中心の吹奏楽では通常、低音を担うコントラバス以外には弦楽器は使わない。チェロに出番はないのが普通だ。

表現の幅広がる

にもかかわらず、宮田は2016年、佼成ウインドと初共演した。同年代の川瀬賢太郎の指揮でオランダの作曲家、J・デ・メイの「カサノヴァ」を演奏したのだ。「吹奏楽では、チェロがオーボエや打楽器などのパートを受け持つ。オーケストラと共演するときとは違った経験ができて面白かった」と振り返る。

4月の演奏会では再び川瀬の指揮で、オーストリアのF・グルダ作曲「チェロと吹奏楽のための協奏曲」に挑む。この曲は米国のジャズの影響が色濃く、チェロの独奏部分に美しく自由度の高い旋律があり、宮田にとって憧れの曲だったという。

スイス在住のチェロ奏者、新倉瞳は昨年末、東欧系ユダヤ人の民族音楽である「クレズマー」のバンドを率いて来日公演を行った。クラシックの協奏曲のソリストや、室内オーケストラのメンバーとしての活動が知られていただけに、驚きをもって迎えられた。

新倉がクレズマー音楽に触れたのは2014年。スイスでライブを見て「変則的なリズム、叙情的で温かみのある旋律に感銘を受けた」と話す。そこで、自ら志願してアマチュアが中心のバンドに加入。演奏するうち、クラシックに通じる点が多いことに気付いたという。「作曲家のバルトークやドヴォルザークも、自作に民族音楽的手法を取り入れた。クレズマーをやることで、クラシックへの理解が深まった」

チェロは弦楽器の中でバイオリンに次いでソリストとしての出番が多く、カザルス、カサド、ロストロポーヴィチら世界的名手を数多く生んでいる。日本にも堤剛、倉田澄子、山崎伸子らの名奏者がいる。

「何をしてもいい」

堤やその後の世代は後進の教育に力を入れ、宮田は倉田、新倉は堤に師事した後に渡欧。クラシックの確かな技巧や表現力を身につけた奏者が、表現の幅を広げる手段として他分野に踏み出している。「僕ら30代のチェロ奏者は、面白いと思えば形態もジャンルも飛び越える」と宮田。堤も「若い演奏家はチェロ奏者であることを忘れなければ、何をしてもいい」と背中を押す。

東京芸大で山崎に教えを受けた辻本玲もその一人。現在は日本フィルハーモニー交響楽団のソロ・チェリストを務めるとともに、バンドネオン奏者、三浦一馬が率いる「東京グランド・ソロイスツ」でピアソラなどのタンゴも演奏する。「僕はヨーヨー・マがCMで弾いたピアソラの音楽に憧れチェロ奏者になった」と辻本。今の30代は幼いころから多様な音楽に触れており、どんな音楽にも抵抗がないのかもしれない。

海外に目を向けると、2CELLOS(トゥーチェロズ)がいる。彼らは2本のチェロで、ロックやポップスを演奏。クラシックのコンサートも行い、世界的に人気がある。辻本は「ジャンルをまたいだ奏者が活躍する流れは、今後も加速する」と見る。

ほかにも、やはり人気チェロ奏者の横坂源は、民族音楽も得意とするジャン=ギアン・ケラスに師事した。どんな音楽でも演奏できる。そんな日本のチェリストはさらに増えそうだ。堤は「奏者が道を切り拓(ひら)くことで、日本が音楽的に成熟する」と期待している。

(文化部 岩崎貴行)

[日本経済新聞夕刊2018年3月19日付]

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