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補聴器、使用率低迷の日本 普及のカギは?

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NIKKEI STYLE

難聴や加齢による聴力低下を補う補聴器の使用率が日本で低迷している。欧米では30、40%台の使用率が日本では14%弱にとどまっているのだ。背景には価格が高いうえ、症状や用途に合わない商品を購入してトラブルになるケースが後を絶たないためだ。耳の聞こえ具合が認知症に関係しているとの指摘もあり、高齢化が進む中、生活の質を高めるための補聴器選びが重要になっている。

補聴器大手、シバントス(神奈川県大和市)の系列の補聴器販売店「シーメンス・シグニア補聴器コンセプトストア銀座」。宝石のようなカラフルな補聴器など100種類以上をそろえる同店に現れたのは補聴器の調整に訪れた奥寺渉さん(31)。幼少期におたふく風邪を煩ってから重度の難聴になって、2017年4月から同社の補聴器を使い始めた。「生まれたばかりの子どもの声が初めて聞こえた」と笑顔で語った。

奥寺さんは補聴器の使い勝手を高める目的で、シバントスが17年に始めた「マイヒヤリングアプリ」を活用している。新しい補聴器に早く慣れるように、テレビの音声などを聞いてその聞こえ具合を毎日チェックしたり、音量を調節して心地良い音の大きさを探したりできる。

「何かあるとすぐ連絡できて安心です」。アメフトチームに所属しながら、ろう学校の教師も務める奥寺さんの生活を支える。

補聴器国内最大手のリオンが17年11月に発売したのが、耳の穴がふさがっている外耳道閉鎖症などの患者が使いやすい世界初の軟骨伝導補聴器だ。イヤホンの代わりに、増幅した音を伝える振動子を外耳の軟骨部にあてて、振動を聞き取ることで音を識別する。

外耳道閉鎖症の患者は耳にイヤホンを差し込めないため、これまではヘッドバンド式の骨導補聴器を使うことが多かった。しかし、「頭痛を引き起こしたり、子どもの成長と共に骨がへこんだりしてしまうことがあった」(事業技術開発課の中市真理子課長)といい、改良が望まれていた。

カチューシャタイプの骨伝導型から軟骨伝導型に切り替えた東京都府中市在住の佃香凜さん(14)は「以前は気になった周囲の視線を気にしなくなった。音もクリアになった」と喜ぶ。

補聴器の品ぞろえが増えたことで、需要はじわりと伸びている。日本補聴器工業会(東京・千代田)によれば、17年の補聴器の国内出荷台数は56万台と07年に比べ2割増えた。

とはいえ、難聴者に対する補聴器の使用率で見ると、英国42%、ドイツ35%、米国30%に対し、日本は14%と低い。「日本では補聴器を購入する際の補助金が少ないほか、販売員の公的資格が確立されていないことが関係している」と同工業会の木村修造副理事長は指摘する。

欧米では補聴器販売業者に公的資格制度があり、医師による診断を経て「オージオロジスト」などと呼ばれる有資格者が聴力検査や耳型採取などを手掛ける。

日本では購入に医師の診断は必要なく、認定補聴器技能者と呼ばれる民間資格の保有者の配置も義務づけられていない。割安だからとインターネットで買ったり、店頭で薦められるままに買ってしまい、「合わなかった」などの声が国民生活センターなどに寄せられることも少なくない。

こうしたミスマッチを減らそうと、日本補聴器販売店協会(東京・千代田)では16年度から販売者の研修会を始めた。累計2千人が受講し、今後も続けていく方針だ。

◇  ◇  ◇

価格高止まり 利用の妨げに

補聴器が普及するうえで課題となっているのが価格の高さだ。日本での補聴器の普及価格帯は片耳あたり15万~20万円。高級品だと両耳で100万円かかる製品もある。日本では補聴器は保険適用にはならず、障害者総合支援法に基づく高度の難聴以上の人だけが、原則1割負担で購入できる。

中等度以下の人でも、購入後に医療費控除を受けられる。ただ、医師から治療のために必要という診断書を書いてもらう必要がある。「申告時に税務署によって判断がばらつき、控除が受けられない例もあった」(日本補聴器工業会)。今は9割の人が自費で購入しており、高額なために片耳のみ購入して済ますケースもあるという。英国では国が指定する製品であれば、難聴の程度にかかわらず国から無償で提供を受けられる。

最近では2週間程度のレンタルサービスを活用して補聴器を使う人も増えている。今後は一律の基準で税控除が受けられるようにするなど、補助制度自体の改善も求められる。

(西岡杏)

[日本経済新聞夕刊2018年3月14日付]

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