徳本さんは1993年に新卒で大京に入社した。当時、大京は女性社員を事務作業が中心の一般職としてしか採用していなかった。配属されたのは埼玉県大宮市(現さいたま市)にあった支店で、仕事の内容は土地買収に必要な資料作りや物件を販売する際に必要な重要事項説明書の作成だった。

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転機は96年7月に訪れた。会社の方針として女性社員を積極的に営業や企画に登用するようになり、入社以来やってみたいと思っていたマンション用地の仕入れ担当への異動がかなったのだ。「土地の魅力を調べて、マンションを建てる場所を選べるのが楽しそうだった」

しかし、土地を仕入れる仕事は簡単ではない。結果を残せないまま2年弱が過ぎ、98年3月にマンション販売の担当への異動を命じられた。「不本意だった」が、物件の魅力を説明して成約につなげる営業の現場を目の当たりにして、販売・営業に対する考えが変わった。

仕事に励むなか、2人の娘が生まれるときに合わせて約2年の出産・育児休暇を取った。職場復帰の際に上司から「営業は大変だから部署を変わらないか」と聞かれたが、営業に残る道を選んだ。

もちろん育児をしながらの営業は苦労も多い。担当する顧客との契約が夜になり、最後の仕上げを同僚に任せて帰宅したこともあった。保育園のお迎えが遅れて園長に怒られたこともある。

「時間の制約があるので、仕事の密度を高めている。同僚の支援もあって助かっている」。娘たちが中学校に通うようになってからは、仕事を途中で切り上げることも減ってきた。徐々に仕事に充てられる時間も増えてきている。ママさん課長の快進撃はまだまだ続きそうだ。

(福冨隼太郎)

とくもと・えいこ
 1993年芝浦工大工卒、大京入社。北関東支店の総務課、業務課などを経て96年北関東都市開発一課に異動し、土地買収に携わる。98年から物件販売を担当。2度の産休・育休取得を挟んで16年4月から現職。

[日経産業新聞2018年3月8日付]

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