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夢追い興銀へ、「モノで勝負」すごみ学ぶ ルネサスエレクトロニクス社長 呉文精氏(上)

2018/3/6 日本経済新聞 朝刊

米社買収について記者会見するルネサスエレクトロニクスの呉社長(2016年9月13日、東京都江東区)

■ルネサスエレクトロニクスの呉文精社長(61)は日本興業銀行に入行した。

 就職活動では明確にやりたいことが決まっておらず、事業の幅が広い銀行や商社を志望しました。青臭い話ですが、面接で「貧しい国の経済状況を改善する仕事をしたい」といった理想論をぶつけていました。ただ、興銀だけが「この会社には夢を持ち続ける人がたくさんいる」と真剣に話を聞いてくれたのです。

 当時の興銀は日本の経済成長を後押しする気概がありました。3年目には社内留学制度に応募し、米プリンストン大の大学院に留学し2年間を過ごしました。

■帰国後は投資情報部に配属された。

 当時はなじみの薄かった国境をまたいだM&A(合併・買収)の仲介を担当しました。主に外資による日本企業の買収を支援する仕事です。ただ、新規事業だったため、業務のノウハウも確立されておらず、自分で考えてM&A案件を探し出す努力が必要でした。

 当時の日本ではM&Aは事業資産の売買ではなく“人身売買”と捉えられがちで、いくつかの案件を手掛けましたが、なかなか成果を出せず苦労しました。それでもこの時の経験でグローバル企業との付き合い方を学べたと思います。

くれ・ぶんせい 1979年(昭54年)東大法卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。16年ルネサスエレクトロニクス社長。東京都出身。

 38歳でプロジェクトファイナンスの部署に移り、インドネシアでの銅精錬所建設に融資する数十の銀行団のまとめ役を担いました。それまで経理や経営企画の担当者に会うことが多かったのですが、初めて技術者と一緒に仕事をして自分の作ったモノで勝負するというすごみを体感しました。

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