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持ち主不明の土地、課題は? 九州より広い面積に

2018/3/5付 日本経済新聞 夕刊

都市部でも増えている空き家は所有者不明地につながりやすい

 持ち主がわからない土地が全国で増えているそうね。どうしてわからなくなってしまうのかな? 所有者不明の土地を増やさないために、どんな対策が必要なの?

 所有者がわからない土地の現状と課題について、大矢智恵子さん(62)と菅原直美さん(40)が谷隆徳編集委員に話を聞いた。

――なぜ今、持ち主が不明の土地が問題になっているのですか?

 人口が減るなか、空き家が増えています。全国で820万戸、全住宅の13%強が空き家です。売却・賃貸待ちの家や別荘も含みますが、多くは使われていません。空き家になって時間がたつと、持ち主もわからなくなりがちです。

 持ち主不明の土地は行政もなかなか利用できず、公共事業や災害時に困ります。東日本大震災の後、所有者がわからない土地が、高台への住宅移転の大きな障害となりました。耕作する人がいなくなった農地の集約も、所有者がわからなければできません。

 岩手県知事や総務相を務めた増田寛也・東大公共政策大学院客員教授が座長の民間研究会は2017年、所有者不明の土地について報告をまとめました。それによると、農地や山林も含め持ち主がわからない土地が16年時点で、全国に約410万ヘクタールもありました。九州より広い面積です。40年には北海道本島の面積に迫る約720万ヘクタールに増えるとしています。

―― 土地はいらないものなのでしょうか?

 土地に対する日本人の感覚が変化しています。国土交通省の調査では、1990年代は土地が有利な資産だと思う人が6割いましたが、2016年には3割に減りました。昔は土地の値段は上がるというのが常識でした。今は逆に、地価下落のリスクに加えて固定資産税や管理費用がかかり、土地は「負の資産」と言われることもあります。

 所有者不明になるきっかけは主に相続です。売却や賃貸ができない土地は継ぎたくない人が目立ちます。売買する際は一般に、契約時に所有者変更を登記します。でも相続では放置され、代替わりを重ねて子孫が土地の存在自体を知らないこともあります。

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