トランプ減税の狙いは? 企業の米回帰を期待

税制改革はトランプ大統領にとって実質的に初めての政治的実績といえる
税制改革はトランプ大統領にとって実質的に初めての政治的実績といえる

2017年末に成立した米国の税制改革法が注目されているわね。大型減税と聞いたけど、どんな内容なの。米国経済や世界経済にはどんな影響があるのかな。

米税制改革の内容や影響について、杉本優子さん(60)と飯塚三枝子さん(49)が実哲也編集委員に話を聞いた。

――税制改革で何が実現したのか教えてください。

企業と個人を合わせて10年間で1.5兆ドル(約160兆円)という大型減税です。トランプ政権と同じ共和党のレーガン政権やブッシュ(子)政権も大型減税を実施しましたが、金額ではそれらを上回る過去最大規模となります。

まず連邦法人税率については従来の35%から21%に引き下げます。狙いは2つあります。一つは米国の法人税率は先進国の中で相当高く、これに不満を持つ多くの米国企業が海外に拠点を移していたのですが、税率下げにより米国内に戻るよう促すことです。もう一つは減税により利益が手元に残る企業に設備投資や賃上げをしてもらい、経済を底上げすることです。

個人では、17年8割の人が減税となり、1人あたり平均では1600ドルの減税になるという試算もあります。最高税率を従来の39.6%から37%に引き下げるなど、全般的に高所得者の方が恩恵を受けると指摘されています。

――米国経済や世界経済に影響はありますか。

好調な米国経済をさらに後押しするとみられます。18年の名目国内総生産(GDP)を0.8%程度押し上げるとの試算もあります。

ただ落とし穴もあります。米国では人手不足が目立ちつつあり、賃金も上がり始めました。またトランプ大統領は空港や道路などのインフラ投資の拡大にも意欲を示しており、大型減税と相まって景気が過熱する恐れがあります。そうなると米連邦準備理事会(FRB)が利上げを加速させるとの見方から長期金利が上昇し、株式相場の下落を引き起こしかねません。

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