変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

タニタの岩沢慶祐さん

タニタの岩沢慶祐さん

健康機器大手、タニタ(東京・板橋)の岩沢慶祐さん(33)はホームセンター向けの売り上げを2016年10月に前年同月比で2.7倍に伸ばした実績を持つ。仕事ぶりを買われ、現在は同社が「苦手」とするドラッグストア向け体温計などを担当。商談の魅力を高めるための入念な準備を怠らず、新しい分野に挑む。

「なぜこのタイミングでドラッグストア担当にしたか分かっているな」。17年4月。岩沢さんは直属の上司の言葉に身を引き締めた。

6年半勤めた食品メーカーを辞め14年にタニタに入社した。即戦力として期待され、高機能な体組成計でトップシェアを持つ同社の「得意分野」であるホームセンター本部の営業担当となる。岩沢さんはスーパーのライフとイメージキャラクターを使った共同販促をメーカーで初めて企画。売り上げ増に貢献した。

それが認められ、タニタが未開拓のドラッグストア向け体温計の担当に。体温計はオムロンヘルスケア(京都府向日市)が5割、テルモが3割のシェアを握る。家庭用の体組成計市場が飽和状態とみたタニタはドラッグストア向け製品を新たな柱に育てる計画で、17年秋に数年ぶりとなる体温計の発売を控えていた。

□  ■  □

会社にとっての勝負どころ。しかし営業に出向いた取引先からは「他社製品には到底及ばないよ」と面と向かって言われた。ホームセンターとは勝手が違い、体温計で同社ブランドは通用せず「やりにくさを感じた」。

自信はさらに打ち砕かれる。同年5月に直属の上司から大目玉をくらった。取引先の強引な要求にこらえ切れず「明日までに回答します」とできもしないことを安易に返事してしまったからだ。工場や会社全体の戦略にも関わる事柄を、まるで1人で判断したかのような対応だった。

この出来事をきっかけに、商談前の準備を徹底するようにした。商談のタイミングによって提案できる内容が変わるため何パターンも資料を作り、商談の直前に一番相手に伝わるものを選ぶ。

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック