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中国人のスマホ決済、逃さず 小売店向けに簡単アプリ リクルート系がサービス拡大、「アリペイ」にも対応

2018/3/28 日経MJ

店はタブレットやスマホに専用アプリを入れるだけでスマホ決済に対応できる

 多くの外国人が訪れる2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、リクルートライフスタイル(東京・千代田)が小売店向けのモバイル決済導入支援サービスを加速させている。店側のタブレットやスマートフォン(スマホ)にアプリを入れ、POS(販売時点情報管理)と連動させながら決済を完了する。訪日中国人の9割超が利用するとされるスマホ決済に簡単に対応できる仕組みとして、急速に店舗の支持を集めている。

 「現金を用意しなくても、買い物ができるのでありがたい」。2月中旬、東京都に観光で訪れた中国人の女性。原宿駅周辺(東京・渋谷)にある若い女性向けのアクセサリー店で「支付宝(アリペイ)」を使って商品を購入した。購入金額は2万円程度で、この店舗の平均単価の3~4倍だったという。

 この店舗が利用しているのは、リクルートライフスタイルが提供するスマホ決済サービス「モバイル決済for Airレジ」だ。同サービスではまず、米アップルのスマホ「iPhone」かタブレット「iPad」に専用アプリをインストール。来店者のスマホの画面に表示された2次元バーコード「QRコード」を読み込むと決済が完了する。

 アプリの初期導入費用や月額利用料は不要で、店舗は決済額に応じた手数料を支払えばよい。同社のPOSレジアプリ「Airレジ」と連動させれば、決済金額を入力する手間を省ける。

 中国のスマホ決済首位のアリペイはユーザー数が5億人を超えており、1日の平均取扱件数も1億6000万件を超えている。中国人訪日旅行者の9割超がスマホ決済を利用しているとされ、現金決済よりも好まれるという。

 スマホ決済への対応が進めば、購買力のある中国人観光客の財布のひもを緩められる。リクルートライフスタイルのサービスを利用するある店舗では、中国人客のアリペイによる決済単価が、中国人客平均の2.6倍に上っているという。

 こうした訪日中国人の消費を取り込もうと同社のサービスを導入する企業が広がっている。外食大手のワタミが1月から「和民」など4業態・200店強への導入を順次進めている。東京・銀座エリアの商業施設「GINZA SIX」も18年夏ごろまでに全館に導入する方針だ。

 政府は東京五輪・パラリンピックが開かれる20年までに外国人が訪れる主要な商業施設や宿泊施設、観光スポットで決済端末のIC対応を100%実現する目標を立てている。現金を使わない決済の比率を27年までに40%と、10年で倍増させる。

 リクルートライフスタイルはこうした動きに呼応する形で、決済サービスの分野を広げている。スマホ決済では、対話アプリのLINEの「LINEペイ」に対応しているほか、18年春にはNTTドコモが4月に始める「d払い」にも対応する。d払いはドコモ回線を契約している消費者が商品の購入額などを月額の携帯料金と合わせて支払えるサービスだ。

 スマホ決済以外では、電子マネーやクレジットカードなどの複数のサービスを1つの端末で利用できるアプリ「Airペイ」を展開中だ。共通ポイントの「Tポイント」や「Ponta」「WAON」を同時に使える販促支援アプリも提供している。

 電子決済など支払い手段が多様になる一方で、「多様な手段にすべてに対応していたら会計カウンターが物理的にも手続きの上でも煩雑になりそう」などと導入をためらっていた店舗は多いという。大宮英紀グローバルソリューション事業ユニット長は「Airレジで決済関連の煩わしい手間から解放し、接客など本来の業務に専念してもらう」と力を込める。

(広井洋一郎)

[日経MJ2018年2月21日付]

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