「3%の賃上げ」って何? 首相が要請、労組は反発

経済3団体共催の新年祝賀パーティーで安倍晋三首相は企業のトップに春季労使交渉で3%の賃上げをするよう改めて求めた(1月5日、東京都千代田区)
経済3団体共催の新年祝賀パーティーで安倍晋三首相は企業のトップに春季労使交渉で3%の賃上げをするよう改めて求めた(1月5日、東京都千代田区)

会社と労働組合の春季労使交渉が始まったそうね。2018年は「3%の賃上げ」という言葉をよく聞くけど、それって何のこと? 給料が増えれば誰でもうれしいと思うけど、実現するの?

3%賃上げについて、斉藤嘉子さん(54)と藤井智子さん(58)が水野裕司編集委員に話を聞いた。

――なぜ「3%」の賃上げなのですか?

安倍晋三首相が17年10月26日の経済財政諮問会議で、経済界の出席者に「3%の賃上げが実現するよう期待する」と表明したのが始まりです。この会議に有識者が提出した資料に、経済の好循環やデフレ脱却のためには今度の春季労使交渉は重要な影響力を持ち、賃上げはもはや企業への社会的要請だとして3%という数字が記載されています。安倍首相はこれに沿う形で言及したのでしょう。

3%の根拠ですが、過去との比較の中から出てきたようです。今は戦後2番目の長さという景気拡大局面です。ところがバブル期(1986~91年)に1人当たりの名目賃金が年平均で3.6%伸びたのに対し、今回(2012~16年)はわずか0.4%です。このため政府は今回の景気拡大局面でも賃金が3%程度上がってもいいはずだと考えているようです。

ただし、3%はそう簡単な数字ではありません。経団連によると、3%を超える賃上げは94年を最後に実現していません。また賃上げのうち2%程度は年次が上がると昇給する「定期昇給」で、本当の意味で賃金を底上げする「ベースアップ」は長らくゼロ近辺が続き、14年からようやく0.3~0.5%程度出始めたのが実情です。

――企業や労働組合はどう受け止めてますか?

労働組合は政府の口出しを快く思っていません。労働組合の集合体である連合は今年の労使交渉の方針の中で、賃金交渉はそれぞれの企業の置かれた状況や将来の展望などを念頭に、労使が真摯に議論するものだと説明しています。つまり、首相のひと言で賃金が決まるものではないと反発しているのです。

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