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原宿の人気店でメーク手ほどき、中高生おしゃれに導く エチュードハウス 前田礼実さん

2018/2/19付

「メーク初心者の女子中高生たちにメークの喜びを伝えたい」という前田さん

週末の東京・原宿。1日1000人が訪れるという人気店がある。韓国の化粧品大手、アモーレパシフィックのブランド「エチュードハウス」の原宿・竹下通り店だ。メーク初心者の女子中高生をおしゃれの世界に導く先輩として、販売員の前田礼実さん(28)は信頼を集めている。

小学生の頃からメークに対する憧れが強かったという前田さんは伊豆諸島の神津島出身。毎月1回は船で東京を訪れ、ドラッグストアでリップやアイシャドーを買うのが最大の楽しみだった。

18歳で都内の音楽学校に入り、バンド活動に打ち込む日々、出会ったのが韓国文化だった。当時は「東方神起」など韓流アイドル人気の絶頂期。ソウルにも頻繁に足を運ぶようになり、最大の繁華街、明洞地区を歩いてきたときに目に留まったのがエチュードハウスの店舗だった。

至るところにピンクをあしらった内外装。店頭に並ぶ化粧品からは日本のブランドにはないキラキラした色調と質感があふれていた。そのかわいさにとりことなった。ちょうどその頃、アモーレグループは韓流ブームに沸く日本への店舗展開を加速していた。帰国後、エチュードハウスの販売員募集に飛びついた。

横浜の店舗でおよそ4年間勤務した後、2015年にオープンした原宿の店舗に異動した。韓国コスメに一定の知識を持つ20~30代が客層の中心だった横浜とは異なり、原宿は多くがメーク初心者の10代の中高生。こんな変化に当初は戸惑いも感じたという。

「中学生の私にメークを教えてくれる先輩がいれば、もっとおしゃれが上手になれた」。少女たちに過去の自分の姿を重ねたときから、前田さんは「隣のお姉さんのように接している」。

ドラッグストアの店頭で自分で選んだ化粧品しか買ったことがない少女たち。接客されることへの緊張感は隠せない。入店時から彼女たちの目線や動線をよく観察し、探している商品を類推しながら頃合いを見て、「これ使ってみますか」と声をかける。

緊張感がほぐれてくれば、「お客様にはこの色が似合います」「化粧筆はこんなふうに入れると自然になりますよ」と、簡単な化粧下地の使い方から、異なる色使いの楽しみ方までをレクチャー。表情の変化を少女たちと一緒に喜ぶ。このコツをつかんでから、接客がぐっと楽しくなった。

先日、今どきの「ギャルっぽさ」のない少女を接客した。初々しい印象の彼女に似合う商品は何か。年下の友達に接する気持ちで選び、使い方を説明しつつ、メークの手ほどきをした。次に来店した際の彼女は見違えるほどきれいに化粧し、表情も華やいでいて、「自分のことのようにうれしかった」。

スマートフォン(スマホ)が普及した今、メークに関する情報は格段に手に入れやすくなった。しかし、メークの楽しさを伝える対面販売の重要性は変わらない。エチュードハウスのブランドメッセージは「メイクアップ・プレイ(メークで遊ぶ)」。1人でも多くの少女にそのコンセプトを伝えられればいい。そんな思いを胸に今日も店頭に立つ。

(松井基一)

[日経MJ2018年2月19日付]

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