検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

地域ぐるみで食生活改善 健康寿命、伸びた地域も

自治体が地元の店に呼びかけ、野菜たっぷりのメニュー開発

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

地方自治体が地域ぐるみで住民の食習慣を改善し、生活習慣病を予防する動きが広がってきた。飲食店などに野菜をたっぷり使ったメニューの開発を呼びかけたり、小学生の関心を高める教材を開発したりと、取り組みは様々。実際に住民の健康寿命が伸びるなど、成果が出始めた例もある。住民の健康づくりだけでなく将来の医療費の抑制にもつなげようと知恵を絞る。

東京都足立区の「北千住マルイ」。昨年秋に野菜関連の店を集めた常設の売り場ができたと聞き訪ねたところ、2階には「キッチンガーデン350」が広がっていた。350は1日あたり350グラムの野菜摂取目安量を意味する。

この売り場は、同区が東京都中央卸売市場北足立市場などと取り組む糖尿病対策の一環。区は2013年以降、市場と取引のある小売店や飲食店に野菜を使った商品の開発を呼びかけており、区内の飲食店の1割に当たる約600店が参加している。

キッチンガーデンにあるサンドイッチ店「シェフズプレス」では、地元産の小松菜を使ったスムージー(432円)が人気だ。埼玉県草加市の女性(35)は「野菜が苦手だけど、青臭い感じがなく飲みやすい」と笑顔を見せた。

同区が糖尿病対策を始めたのは、40~74歳の国民健康保険の被保険者1人あたりの糖尿病医療費が東京23区で最も多かったためだ。事業開始から5年がたち、効果も出始めている。過去1~2カ月間の平均的な血糖の状態を調べる検査で、糖尿病による合併症が懸念される人の割合は、12年の4.94%から15年には4.52%に減った。

区民の健康寿命も男女とも都の平均値と差が縮まっている。平均野菜摂取量を基に経済効果を試算したところ、年6億円に上る。

 北千住マルイの営業担当の境佐知子さんは「野菜関連の常設売り場は家族連れなど多くの客に来てもらえる」と話す。2月から野菜あんかけラーメン(800円)を提供し始めた「中華料理千力」の原里之店長も「野菜メニューは収益増につながる。血糖値の急な上昇を抑えるため、最初に野菜から注文する客が増えてきた」と実感している。

糖尿病予防の効果を証明するには一定の時間が必要だが、同区で事業を担当する馬場優子課長は「野菜を普段の生活に溶け込ませることで、住民の健康、店の利益、区の医療費抑制につなげたい」と意気込む。

食生活を地域ぐるみで変える試みは各地でみられる。長野市は昨年11月、野菜を食べて生活習慣病を予防する「ながのベジライフ宣言」を発表。増加傾向にある糖尿病患者の重症化を防ぐため、飲食店やホテルなどに野菜を使ったメニューの開発を呼びかける。

減塩メニューを地域で増やし、住民の高血圧などの改善につなげようとしているのは大分県。1食当たりの食塩を3グラム未満に抑えた飲食店のメニューを認定する制度を14年に始め、約100店が登録している。

食習慣を改善するには、若い世代への教育も課題だ。沖縄県は野菜摂取の必要性など食育をテーマにした副教材を地元の医師会や栄養士会と開発し、小学校に配布。家庭科や保健などの授業で食育に取り組む。

「沖縄県は昔、長寿日本一だったけど、今は何位だと思う?」「お父さん、お母さんにも野菜を食べるよう伝えてね」――。授業では1985年当時、男女とも都道府県で1位だった平均寿命が縮んだ歴史や、食生活の欧米化などを分かりやすく紹介する。

うるま市立具志川小学校で食育に取り組む栄養教諭の佐和田恭代さんは「野菜の多い郷土料理をつくる家族は減っている。子どもが授業をきっかけに野菜を食べる大切さを家族に伝え効果が波及すれば」と期待している。

◇  ◇  ◇

英では加工品 減塩

全国の自治体では歩数に応じて住民にポイントを付与し、地域の買い物に使える取り組みなど、運動に着目した健康増進策は多い。しかし、健康医学に詳しい東京大学の橋本英樹教授は「食習慣を地域ぐるみで変える取り組みはまだ少ない」と指摘する。

自治体が取り組みを進める際の課題は「食だけでなく運動など手を広げすぎると住民の目標が高くなり、挫折しやすい」と注意を促す。小売店と連携した野菜メニュー開発など「日常生活でこれくらいならできると思わせる空気を作れば、生活習慣病対策を取りにくい条件にある住民との健康格差解消につながる」と説く。

英国では2000年代、食品業界に協力を求め加工食品約80品目の塩の含有量を段階的に減らす政策を進めた。少しずつ減塩すれば味の変化に気付きにくく、消費者離れを防ぐ利点がある。結果、心臓病などの患者が減り年約2600億円の医療費削減につなげたという。橋本教授は「国、自治体ともに工夫次第で住民の健康増進を進める政策の余地は十分にある」と話す。

(高畑公彦)

[日本経済新聞夕刊2018年2月14日付]

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_