焼き肉のタレ 肉に限らず煮物にも
管理栄養士 今泉マユ子
みんなでワイワイ食べる焼き肉やバーベキューは、子どもも大人も大好物。そんな焼き肉になくてはならないのが焼き肉のタレだ。わざわざ買ったのに使い残して、賞味期限が切れてしまった経験はないだろうか。どんなタレを選べば良いのか分からない人、市販の焼き肉のタレは使ったことがないという人もいるだろう。
普段の焼き肉では、肉を焼いた後にタレを付けて食べることが多いはず。肉に限らず、海鮮や野菜、ご飯ものにも使える。かけたりあえたり混ぜたり、1本で料理のバリエーションが広がる。まさに万能調味料だ。種類も豊富で家族の好みに合わせられる。選び方や使い方を知って、普段の食事に活用したい。
最大のメリットは、複数の調味料を用意しなくて済むので時短調理になり、1本で味がぴたりと決まることだ。
例えばエビチリを作るとき。通常は調味料をたくさんそろえる必要がある。焼き肉のタレがあると、マヨネーズとケチャップを加えるだけで本格的な中華のエビチリの出来上がりだ。野菜いためやチャーハン、焼きそば、魚の煮付けの味付けにもお薦めだ。ギョーザやハンバーグ、唐揚げの下味に使うとコク深い味わいが出る。
炊き込みご飯にも使ってほしい。一口大に切った鶏肉に焼き肉のタレ(大さじ1)をからめて下味をつける。米2合、ゴボウやニンジンなどの野菜と一緒に、下味をつけた鶏肉と焼き肉のタレ(大さじ3)を入れて炊くだけで完成だ。
お買い得品の肉の風味をグレードアップするタレは霜降り肉には合いにくいなど、食材とタレの相性もある。豚肉、牛肉、鶏肉、海鮮など食材の種類ごとに合う種類は異なるが、基本は自分の好みで選ぶとよい。
焼き肉のタレのベースの味は大きく分けてしょうゆ、味噌、塩がある。しょうゆベースには甘口、中辛、辛口があり、コクのあるドロドロタイプ、サラサラタイプなどに分かれる。我が家では牛肉の時は甘口、豚肉や鶏肉には塩ダレを愛用している。
リンゴやバナナ、桃、梅、洋梨など果物入りのものや、大根おろしやすりおろし玉ネギ、すりおろしニンニクを加えたタレもある。購入時はパッケージの原材料名をチェックするよう勧める。
最近はコンビニやスーパーのプライベートブランドや地場メーカーのタレにもおいしいものがいっぱいある。容器もビン、ペットボトル、紙パック、など様々だ。お気に入りの一本を見つけたい。
管理栄養士として企業の社員食堂、病院や保育園に勤務。缶詰やレトルト食品を使った時短レシピのアレンジのほか、防災食アドバイザーとしても活躍。
[日本経済新聞夕刊2018年2月13日付]
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