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凸版印刷の桜井克さん

凸版印刷の桜井克さん

食品メーカー向けに包装材を営業する凸版印刷の桜井克さん(36)はチームの売上高を2年間で5倍に伸ばし、2016年には社長表彰を受賞した。技術職の社員に教えを請い実験にも参加するなど知識を蓄えて出した提案で取引先の信頼を勝ち取り、大型案件の受注につなげた。

「難攻不落の壁」。社内でこう表現されていたのが、大手食品メーカー向け粉末食品用包装材の営業だ。桜井さんが10人弱の社員を率いる係長になった15年8月、競合他社の攻勢に押されチームの売上高はピーク時の5分の1まで縮小していた。

競合から大手食品メーカーの案件を奪い取れれば年間で億単位の受注が見込める。長年の懸案を解決する取っ掛かりを得ようと足しげく担当者の元に通った。すると、環境への負荷を抑える包装材の採用を検討しているという相談を受けることができた。

◇     ◇

直前までシンガポールに1年間勤務しており「欧米の食品メーカーは日本企業に比べ環境に対する意識が高い」ことを痛感していた。しかも海外で目の当たりにしてきたのは、環境への配慮を打ち出す欧米メーカーが市場を席巻している光景。そうした経験を大手食品メーカーの担当者に伝えると、試作品の製作依頼へと話が進んだ。

千載一遇のチャンスに桜井さんがまず足を向けたのは、知り合いの技術職の社員の元だった。営業一筋で技術の知識に疎い弱点を克服し、自身の言葉で製品を売り込み、信頼を得たいと考えたからだ。1カ月間で300ページにも及ぶ包装材技術の専門書を3冊読み込み、技術職の社員に頼み込んで実験に付き添わせてもらった。

並行して大手食品メーカーの要求を満たす包装材の技術を全国各地の拠点から探したところ、仙台の工場で製造する医薬品向けの包装材を探し当てた。しかし大手食品メーカーの条件の一つである細長い粉末食品に応用してみたところ、包装材を閉じる際に強度不足で穴が開いてしまうことが分かった。

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