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手書きのPOPには「率直な思いを込めている」という橋本さん

スマートフォンに押されっぱなしだったデジタルカメラ。画像共有アプリの人気で写真そのものへの関心が高まるなか、2017年は出荷台数が7年ぶりのプラスと息を吹き返した感はある。とはいえ、家電量販店の売り場はかつての盛況ぶりからはほど遠い。

インターネット通販の台頭で販路としての役割が問い直される厳しい状況にあって、コジマのデジカメ売り場の救世主となっているのが橋本菜津美さん(29)だ。現在はコジマ×ビックカメラ梶ケ谷店(川崎市)に勤務し、主任としてデジカメ売り場に立つ。

「ネット通販が台頭する時代だからこそ、ネットにはない接客を追求したい」という橋本さんが重視するのは商品の魅力を体感してもらうことができる売り場の演出だ。工作好きな一面を生かして、カメラの機能を実感してもらうための手づくりの仕掛けを売り場に用意する。

「(体験を重視した)コト軸の提案が一番よく伝わる」。橋本さんは常にコジマの木村一義会長兼社長のこの言葉を売り場づくりで実践する。例えば、過去に勤めた店舗では100円ショップで購入したガーデニング用の風車を売り場のあちらこちらに取り付けた。

カメラの性能は「動く被写体」への対応で違いが際立つ。風車は「文字を書き込んだ羽根をファンで回転させて、試し撮りをしてもらう」ため。高速で動く被写体をしっかり捉えたカメラは一目瞭然だった。

梶ケ谷店で活用した小道具は鉄道玩具「プラレール」。カメラが被写体のスピードにどこまで対応できるのかを売り場の限られたスペースの中で示した。夜間の撮影を想定した仕掛けをつくったのは愛知県の店舗。売り場の棚と箱を組み合わせて、暗室を自作。「箱の奥に電飾を付け、イルミネーションを背景にどんな写真が撮れるかを確かめられるようにした」

手づくりは体験装置だけではない。売り場に掲げる店頭販促(POP)も橋本さんのお手製。梶ケ谷店では「画質もズームも両方ほしい!!よくばりなアナタに」「個人的に私が欲しい!!」といった手書きPOPが並ぶ。「文字は大きく3色以内に」は橋本さんなりのPOPの鉄則だ。

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