個人の所得税どうなる? 高所得の会社員は負担増

会社員は所得の9割を課税当局が捕捉しているのに、自営業は6割、農業では4割程度しか把握されていないという「クロヨン」問題の指摘も根強くあります。

――海外と比べて日本の所得税は高いのですか?

実は先進国の中で、日本は国内総生産(GDP)の規模の割に個人の所得税の税収は少なく、税金が高いとはいえません。消費税も低く、法人税と社会保険料は高めです。所得税の相次ぐ見直しの背景には、国際的にみて日本の税制がゆがんでいるとの問題意識があります。

給与所得控除も、海外と比較すると日本は手厚すぎると国はみています。会社員の経費を推計すると現在の給与所得控除より少ないという資料も出しています。ただ民間からは、基礎控除にあたる仕組みは海外の方が手厚いとの指摘もあります。本当に会社員らに適用される給与所得控除が大きすぎるかどうかは、微妙な面があります。

日本の財政は厳しく、団塊世代が後期高齢者となる20年代に向けて再建が大きな課題となります。何らかの増税は避けられません。本来なら会社員の増税だけでなく、税金の使い道もあわせて全体を見直し、消費税や法人税も含む税体系をどういう形にすべきか議論するのが筋です。

――控除見直しはいつから議論されていたのですか?

給与所得控除などの改正の検討が本格的に始まったのは17年の衆院選後でした。所得税という大切な問題を、選挙の争点にしませんでした。議論の場は、主に自民党と公明党でつくる与党税制調査会で内容は非公開。業界団体の意見は聞きますが、個人の声は届きにくいのが実情です。

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