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所得税制の見直しは家計や働き方にも影響が大きい。 写真はイメージ

所得税制の見直しは家計や働き方にも影響が大きい。 写真はイメージ

個人が払う所得税の仕組みが変わるそうね。課税対象を計算するときに差し引ける控除が見直されるのね。改正の目的は? 日本の税制にはどんな問題点があるの?

個人の所得税の制度変更について、橋谷典子さん(57)と野上優子さん(54)が瀬能繁編集委員に話を聞いた。

――どのように仕組みが変わるのですか?

2018年度税制改正で、給料にかかる所得税を計算する際に課税対象から外す「給与所得控除」の枠が少なくとも10万円、20年から引き下げられる予定になりました。同時に誰もが使える「基礎控除」が10万円、拡大します。

給与所得控除の上限も見直されます。今は、年収1000万円を超える人は220万円が控除枠の上限です。改正後は、子育て・介護中の世帯を除く年収850万円超の人の上限が195万円に引き下げられます。給料をもらう人の約4%が増税となります。

一方、自営業者やフリーランスは基礎控除が引き上げられるだけなので、減税です。

個人の所得税は見直しが相次いでいます。まず12年度の税制改正で給与所得控除に上限が設けられました。最初は年収1500万円超の人が対象でしたが、後に1000万円超まで広がりました。13年度の改正では、4000万円超の課税所得にかかる所得税の最高税率が40%から45%に引き上げられました。

そして17年度の改正により18年の確定申告分から、配偶者控除と配偶者特別控除が変わります。夫の給与が年1220万円を超えると、妻のパート収入が年150万円以下でも控除枠がなくなります。とくに年収1000万円台前半の人は、増税続きです。

――なぜ今回、控除枠が見直されるのでしょう?

国は「多様な働き方を支援するため」としています。給与所得控除は会社員や公務員しか使えません。自営業者やフリーランスと比べ不公平なので、働き方による差を小さくすべきだというのです。

しかし、自営業者などは、課税対象となる所得を計算する際、事務所の賃料や交際費など経費を差し引けます。会社員などにはこうした経費が認められない代わりにあるのが給与所得控除なのです。

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