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「自宅で使ったときに満足できる寝具を提案する」と長澤智子さん

毎日使うにもかかわらず、自身の体にぴったり合うものがなかなか見つからないのが寝具だ。販売店の従業員は日々、来店客が訴える「なんとなく合わない」「しっくりこない」といった悩みと向き合うことになる。

寝具製造・卸の昭和西川(東京・中央)が直営する「ららぽーと立川立飛店」(東京都立川市)。店長を努める長澤智子さん(44)は接客を通じ、来店客の睡眠環境をつぶさに聞き出していく。

小さな子供と一緒に訪れた主婦。「自宅の枕がどうも体に合わなくて」というこの女性を長澤さんがまず案内したのは敷布団の売り場だった。

普段使っている敷布団について、高さや硬さを聞き出し、実際に寝ているときの状況を店内で再現するためだ。子供と並んで寝ていると聞けば、「シングルサイズの敷布団を2枚つなげて敷いているんですか」などと細部まで確認していく。

漠然と違和感を抱えているところにいきなり、「どんな悩みですか」と尋ねても、多くの来店客は面を食らうだけ。答えやすい質問から始めて、会話のリズムをつくることがもれなく情報を聞き出すコツだという。

敷布団の状況が把握できれば、売り場にあるベッドに敷布団を敷き、お目当ての枕の品定めだ。いろいろな枕を試して、寝心地を確認していく。その際、長澤さんが特に気を配り、注意深く観察するのは寝ている姿勢。横向きなら、抱き枕を薦めるなど、体に負担のかからない姿勢で眠ることができる枕を提案する。

寝具の販売でもインターネット通販は台頭している。店頭で自宅の睡眠環境を再現する長澤さんの実店舗ならではのサービスに対し、顧客の評判は上々。顧客の一人、立川市に住む川添香代子さん(80)は「寝ている時の姿勢は自分ではわかりづらいから」と話す。

寝具選びを手伝うだけでなく、質の高い睡眠を取るための正しい知識を伝える役割も担う。そのために取得したのは業界団体の認定資格「睡眠環境・寝具指導士」。長澤さんは「資格があったほうが言葉に説得力と安心感がある」と話す。

約20年間、ほかの会社で事務職の仕事を続けてきた長澤さん。人に寄り添う仕事がしたいと2015年に昭和西川に入社した。入社2年目で旗艦店と位置付けている立川立飛店の店長に抜てきされた。

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