ヘルスUP

介護に備える

食事や着替え、「自助具」が相棒 要介護者の自立支援 入手のしやすさに地域差

2018/1/24付 日本経済新聞 夕刊

 代表の向原誠さん(74)は「自助具は持った瞬間に使えるわけではなく練習が必要」とした上で、介護や看護の関係者からは「練習に付き合う余裕がなく介助した方が楽だ、との声もある」と多忙を極める現場と自立ニーズのジレンマを指摘する。

 全国約30の自助具製作グループの新作や研究成果を共有するフォーラムも主宰する。2017年11月に滋賀県で開催した際には、関係者ら約100人が集まった。

 インターネット上のデータベースで製作方法を紹介する取り組みも進む。公益財団法人「テクノエイド協会」(東京・新宿)は、既製品の販売元のほか、団体の連絡先も掲載している。

 寸法や手順などを記載した製作方法も載せている。参照して個人で作ることも可能だが、特殊な工具が必要なものも多く、普及に向けては製作団体の取り組みが重要だという。担当者は「自助具の認知度を高めつつ、製作側の横のつながりも作っていきたい」と話す。

◇  ◇  ◇

■心理的にもプラス効果

 作業療法学に詳しい京都大学医学部の岡橋さやか助教は「その人に合った自助具を使うことで、日常生活や動作の自立度を高める効果がある」と指摘する。

 医療機関では院内で作業療法士が自助具を手作りしたり、角度などを調整できる「セミオーダー」の市販品を活用したりしている。高齢者向け施設や訪問看護の場などでも看護師や理学療法士の判断で活用している例があり、同助教は「回復度合いに合わせて器具を変えていくなど状態に合った道具を使うことが大切だ」と話す。

 家族や介護士にとっては介助量の軽減につながるほか、「食事や着替えなど身の回りのことを自分でできると、本人の心理的にもプラスに働くことが多い」という。

(宗像藍子)

[日本経済新聞夕刊2018年1月24日付]

【関連キーワード】

ライフサポート自助具作業療法士

ヘルスUP新着記事

ALL CHANNEL