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食事や着替え、「自助具」が相棒 要介護者の自立支援

入手のしやすさに地域差

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NIKKEI STYLE

高齢者や障害者など体が不自由な人の日常生活を補助する「自助具」に注目が集まっている。要介護者の「自立」を目指し、外出先で使えるようにするなど工夫を凝らす。製作のノウハウを共有する取り組みも広がるが、入手のしやすさに地域差があるなど普及に向けた課題もある。

「太さはこのくらいでいいですか」。京都市の任意団体「京 自助具館」では、退職後のシニアらボランティアや作業療法士が月に4回ほど集まって自助具を製作する。

高齢者や障害者らから依頼を受けると、作業療法士がどのような動作に困っているかを聞き取った上で、手の可動域、震えや感覚の有無など身体機能について具体的に確認。使用者に合った素材や形状をきめ細かく検討する。

製作する自助具は様々だ。腕が短い人や上がらない人などが更衣や物の移動に使う「鉤(かぎ)形リーチャー」と呼ばれる器具は用途によって重さや形状を工夫する。食器を口元に近づける「台」については、レストランなどにも持ち運べるように折り畳みできるものを作った。

利用者からは「介助者に気を使わず自分の好きなタイミングで行動できる」「キーボード入力の自助具のおかげで自分から積極的にコミュニケーションをとれるようになった」といった声が寄せられる。会長の近藤千津子さん(59)は「自立を妨げないよう使用者に楽をさせすぎない加減が大切」と話す。スタッフの熟練度が上がり、新たなアイテムの考案や改良も進んでいるという。

自助具は筆記具や箸など量産品もあるが、使用者の状況は様々で使いづらいと感じる人も多い。各人に合わせた用具の製作は同団体のようなボランティア団体が中心。介護保険などの対象にならないのが一般的で、製作代金は「材料費のみ」というのがほとんどだ。

団体が活動場所や工具の確保に自治体の補助金を受けているケースでは、他地域の依頼者を受け入れづらいといった事情もある。自助具の入手のしやすさには地域差があるという。

大阪市の「大肢協・自助具の部屋」は東京や大阪での展示会などを通じて、広く自助具を紹介している。見本品を試してもらい、調整して使用者に合わせるのが基本だ。例えばスプーンには柄が太く握りやすいタイプや手のひらに固定するタイプなど様々な種類がある。こうした見本品を実際に触ってもらって、柄の太さや曲げる角度などをカスタマイズする。

 代表の向原誠さん(74)は「自助具は持った瞬間に使えるわけではなく練習が必要」とした上で、介護や看護の関係者からは「練習に付き合う余裕がなく介助した方が楽だ、との声もある」と多忙を極める現場と自立ニーズのジレンマを指摘する。

全国約30の自助具製作グループの新作や研究成果を共有するフォーラムも主宰する。2017年11月に滋賀県で開催した際には、関係者ら約100人が集まった。

インターネット上のデータベースで製作方法を紹介する取り組みも進む。公益財団法人「テクノエイド協会」(東京・新宿)は、既製品の販売元のほか、団体の連絡先も掲載している。

寸法や手順などを記載した製作方法も載せている。参照して個人で作ることも可能だが、特殊な工具が必要なものも多く、普及に向けては製作団体の取り組みが重要だという。担当者は「自助具の認知度を高めつつ、製作側の横のつながりも作っていきたい」と話す。

◇  ◇  ◇

心理的にもプラス効果

作業療法学に詳しい京都大学医学部の岡橋さやか助教は「その人に合った自助具を使うことで、日常生活や動作の自立度を高める効果がある」と指摘する。

医療機関では院内で作業療法士が自助具を手作りしたり、角度などを調整できる「セミオーダー」の市販品を活用したりしている。高齢者向け施設や訪問看護の場などでも看護師や理学療法士の判断で活用している例があり、同助教は「回復度合いに合わせて器具を変えていくなど状態に合った道具を使うことが大切だ」と話す。

家族や介護士にとっては介助量の軽減につながるほか、「食事や着替えなど身の回りのことを自分でできると、本人の心理的にもプラスに働くことが多い」という。

(宗像藍子)

[日本経済新聞夕刊2018年1月24日付]

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