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産業機器向けチェーン販売が主力の機械商社、椿本興業の包装資材システム課主任、平松英さん(32)は紅茶包装機の営業で国内外を飛び回る。一プロジェクトから生まれた新製品を累計100台以上販売し「課」に育て上げた立役者だ。海外の紅茶メーカーとの商談では事前に組み立てた緻密な戦略であらゆる事態に対応し商機を逃さない。

「いつも即断即決を心掛けている」。海外での営業が多い平松さんは「海外メーカーは決裁までの時間軸が日本と全く異なる」と指摘する。日本企業は決裁まで2カ月程度かかることが多いが、海外だとその場で契約が決まることがあるという。

すぐに明確な意思表示ができなければ、契約を取り逃がしかねない。時差の関係で上司にも簡単に連絡は取れない。「カタログなど海外に持って行ける荷物は限られている。自分自身の引き出しを多くして臨機応変に対応する」

関西外国語大学在学中にスペインに3カ月間留学した。日本のブランドを世界中で知ってもらいたいと思うようになり2008年に卒業すると、椿本興業に入社した。その年に同社が新規事業として開発したのが、大きい茶葉を使えて抽出が早いという三角すいの形に紅茶を包装する機械「トゥウィンクル」だ。従来機の4倍となる1分間に200個の高速生産を実現した。

オムツや建築資材向けの不織布を1年間担当し、入社2年目に不織布を使う紅茶包装機の営業担当になった。しかし、顧客となる紅茶メーカーの間で椿本興業の知名度はゼロに等しかった。商社とはいえ自社開発の新製品を扱うノウハウはなく、手探りで営業を始めた。

◇  ◇  ◇

まずは09年にスペインで開かれた紅茶・コーヒー関連製品の展示会に出品。「そもそも展示の仕方も分からなかった」なかでカタログや招待状の作成など膨大な作業に追われたことが、事前の準備の大切さを実感するきっかけになった。

ロシアやドイツなど海外への出張は多い年には年間120日にも及んだ。海外での商談をうまく進めるために見いだしたのは、徹底した事前のシミュレーションだった。

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