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花王の主力化粧品ブランド「est(エスト)」。全国に約130ある売り場で販売成績のトップを走る西武池袋本店(東京・豊島)の売り場責任者が佐藤洋子さん(30)だ。押しつけない「適度な距離感」のある接客が信条。顧客の言葉からニーズをきめ細かくくみ取ることで、一人ひとりに最適のスキンケアを提案する。

約50のブランドがひしめく池袋随一の化粧品売り場で、とりわけ多くの女性が立ち寄るのがエストの売り場だ。2013年からここに勤務する佐藤さんは7月、売り場のチーフに昇格。12人の美容部員を束ねる。

陳列ケースの前に足を止める買い物客がいても、すぐお薦め商品を売り込むことはしない。客が説明を求めるような視線を送ってくると、ようやく「よろしければお聞きします」と声をかける。

化粧品は高額。来店客には無理やり買わされるのではないかとの警戒心もある。佐藤さんは「適度な距離感を保つこと」に細心の注意を払う。

西武池袋本店に着任した当初は積極的に商品をアピールする「プッシュ型」の販売を試みた。だが、なかなか思うような成果が上がらない。同僚を注意深く観察していると、万事控えめな美容部員の方が販売成績が優れていることに気づく。

◇     ◇

日本橋や銀座に比べて池袋は顧客の年齢層が比較的若めで、来店頻度の高い常連客より新規客の割合が高い。気軽な雰囲気で買い物を楽しみたい池袋の客は「丁寧に接客すればするほど引いてしまう」。顧客が求めるものに耳を傾けるスタイルに転換したことが、その後の販売成績の浮揚につながった。

いったん客が関心を持てば、カウンセリングを通じてニーズの把握に全力を挙げる。「お仕事をされているオフィスはどんな場所ですか」「最近、睡眠時間は十分とれていますか」――。コミュニケーションから、肌のコンディションの背景にある生活習慣の把握に努める。

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