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ラトル指揮ベルリン・フィル、有終の美 2017年音楽

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NIKKEI STYLE

2017年に話題を呼んだコンサートやオペラ公演は何か。クラシック、ジャズ、ロックの各分野の評論家が振り返る。

江藤光紀 クラシック 内外オケ、名演多く

(1)サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(11月、サントリーホール)
(2)ファビオ・ルイージ指揮NHK交響楽団
(4月、NHKホール)
(3)中村恵理(ソプラノ)
(12月、ヤマハホール)

11月は世界の名門オケが次々に来日、日替わりで名演を聴かせた。長年の競演を有終の美で飾った(1)を選んだ。エサ=ペッカ・サロネン指揮フィルハーモニア管(5月)のハイテンションで振り切った表現も印象的だった。都内のオケも引き続き意欲的な取り組みと水準向上が続いている。(2)はルイージの自在に揺れるテンポにN響がぴたりとつけて熱狂を誘った。

優れた演奏家の多い日本だが、世界の歌劇場で主役級を張れる声楽家は多くない。(3)は声量・表現力ともに進境著しく、充実の時を迎えている。選外だが戦前・戦後の日本の作曲を連続性のうちに捉えたサントリー・サマーフェスティバル「日本再発見」は企画・演奏ともに出色(9月)。

白石知雄 クラシック(関西) 大阪のパワー健在

(1)「アッシジの聖フランチェスコ」
(メシアン=11月、びわ湖ホール)
(2)「ミサ」
(バーンスタイン=7月、フェスティバルホール)
(3)関西二期会「イリス」
(マスカーニ=5月、あましんアルカイックホール)

瓦解したミサに天使が舞い降りる(2)と、メシアンが自らをイエスに重ねるかのような(1)が、同じ年に上演された奇遇に驚く。

(1)は、カンブルランの指揮する読売日本交響楽団が、東京のオーケストラの精度を関西の聴衆に知らしめる公演でもあった。延べ5時間、集中を保つ強靱(きょうじん)な演奏だった。

(2)は、創立70年の大阪フィルハーモニー交響楽団を母胎に、大所帯を井上道義が牽引(けんいん)する公演であり、演出・演奏がよくこなれて、大阪パワー健在をアピールする。

(3)は日本趣味を浮世絵と人形浄瑠璃で処理しつつ、最後が冒頭に回帰する輪廻(りんね)転生を艶やかに可視化した井原広樹の演出が光る。この問題作の決定版的な舞台だと思う。

青木和富 ジャズ ロイド、刺激的に

(1)チャールス・ロイド
(1月、ブルーノート東京)
(2)ハービー・ハンコック&ウェイン・ショーター
(11月、両国国技館)
(3)マリア・シュナイダー
(6月、ブルーノート東京)

単に元気というより、79歳という年齢を全く忘れさせるパワフルで鮮やかな技と濃密な想像力、チャールス・ロイドのステージは、まさに半世紀前の全盛期以上の刺激的な世界だった。

ハンコック、ショーターのジャズの2大マエストロのステージは、もはや鬼才と言いたくなる不思議な若き表現者エスペランサを迎え、技というより全員の音楽力が溶け合ったジャズのひとつの先端的な世界を見せてくれた。

オーケストラ一途のシュナイダーの今回のステージは、すでに歴史上の名バンドとそん色ない大ベテランの風格を感じさせた。彼女の斬新な譜面を全員が楽しんでいる様子は、生き生きとした音楽の現場そのものだ。

渋谷陽一 ロック ロード、圧巻ステージ

(1)フジロック・フェスティバルのロード
(7月、苗場スキー場)
(2)サマーソニックのセイント・ヴィンセント
(8月、幕張メッセ)
(3)ソウルキャンプのエリカ・バドゥ
(10月、豊洲PIT)

3年前のフジロック、小さなレッドマーキーのステージで歌っていた17歳の少女は大きく成長し、今年のメイン・ステージでトリのビョークさえ食ってしまいそうな圧倒的なパフォーマンスを観(み)せてくれた。彼女の新作は全世界の音楽メディアで今年を代表する作品に選ばれている。

セイント・ヴィンセントは、たった一人でフェスの大きなステージに立ち、映像と一体化したユニークなスタイルのライヴを展開し、鮮烈な印象を残した。彼女の新作も同じく世界で高い評価を獲得している。

そしてキャリア20年を総括するエリカ・バドゥの素晴らしいステージは豊かな今年のライヴ・シーンを象徴するものだった。

山崎浩太郎 オペラ 巨大な宗教画が音に

(1)「アッシジの聖フランチェスコ」
(メシアン=11月、サントリーホール)
(2)バイエルン国立歌劇場「タンホイザー」
(ワーグナー=9月、NHKホール)
(3)バッハ・コレギウム・ジャパン「ポッペアの戴冠」
(モンテヴェルディ=11月、東京オペラシティ)

演奏会形式ながら、ついに全曲の日本初演を実現させた(1)は、歌唱も演奏(読売日本交響楽団)も、作品に精通したシルヴァン・カンブルランの指揮の下、その歴史的意義をさらに忘れがたい体験にする素晴らしさ。巨大な宗教画が音となって現出した、4時間半のまぼろし。

海外の一流歌劇場の来日が少ないなかで(2)は貴重。小細工の過ぎる演出など不満もあるが、話題の指揮者キリル・ペトレンコが引き出す響きは精妙で柔和、傑出していた。

生誕450年のモンテヴェルディの傑作(3)は音楽面の充実に加え、セミ・ステージの簡素な装置と演技がむしろ作品にふさわしい。初期のオペラがこれほど深く人間を描いたことを実感させてくれた。

[日本経済新聞夕刊2017年12月26日付]

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