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徳島ラーメン 茶色、黄色、白色のスープがファン魅了

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茶色い豚骨スープに、甘辛く煮た豚バラ肉と生卵をトッピング――。1990年代後半のご当地ラーメンブームでは、こういったイメージで「徳島ラーメン」が全国に紹介された。だが徳島で親しまれている味はそれだけにとどまらない。豚骨に鶏ガラなどのうまみを加えた「黄系」や、あっさりした豚骨味の「白系」もあり、バリエーション豊かな味が楽しめる。

徳島ラーメンを一躍有名にしたのが、徳島駅から徒歩15分ほどの場所にあるいのたに(徳島市)。1999年から1年弱、新横浜ラーメン博物館に期間限定で出店した。現在も店舗は地元客だけでなく全国からのラーメンファンでにぎわう。

スープは豚骨や野菜などを炊いたものに茶色いしょうゆダレを加える。豚骨の臭みはなく、ほのかに甘みがあり、柔らかめにゆでたストレートの中細麺によく合う。チャーシューではなく、薄切りの豚バラ肉をしっかり甘辛く味付けしたものが載るのも珍しい。

徳島県東部ではこういったスタイルのラーメンは一般的で、その色合いから「茶系」と呼ばれている。トッピングで生卵を頼めるのも他の地域には無い特徴だ。入れるとバラ肉やスープの甘辛さが中和され、よりマイルドな味が楽しめる。

「こっちでは昔から、中華そばは白いご飯と一緒に食べるもの」と、二代目店主の猪谷貴雄さん(61)。働く人の昼食として親しまれており、昔ながらの店は昼営業を中心とするところが目立つ。ご飯のおかずになるよう、麺は一般的なものよりやや短く量も少なめだ。スープや具のしっかりした味が白飯と合う。

さらに濃厚な味が楽しめるのが、徳島市中心部の繁華街にあるラーメン東大大道本店。スープも豚バラ肉も黒に近い焦げ茶色で一瞬ひるむが、見た目ほどは塩辛くなく、豚骨としょうゆのコクを強く感じる。

「県外の人は味が濃く感じるかもしれませんが、あえて徳島らしさを強調しています」と同店の木村悠真さん(34)は話す。土地柄、深夜も営業しているが、お酒を飲んだ後の「シメ」として注文する人も珍しくないという。

こうした茶系だけではないのが徳島ラーメンの奥深さ。ややあっさり味で黄色いスープの「黄系」も、茶系に劣らぬ数の店があり老若男女に親しまれている。透明感のある黄金色のスープで人気なのがラーメン三八(さんぱ、徳島市など)だ。

「豚骨と野菜に加えて鶏ガラをたっぷり使うので、鶏の脂の黄色がしっかり出るんです」と三代目の岡田元一さん(37)が教えてくれた。タレは薄口しょうゆベースで、コクがありつつスッキリした味わい。茶系のような甘辛豚バラ肉ではなく、モモやバラのチャーシューを使っている。

茶系や黄系の源流とされるのが、戦後に徳島県小松島市の屋台で誕生した「白系」。1951年創業の岡本中華は、乳白色に白濁したやさしい味わいのスープが人気だ。「臭みが出ないよう豚骨や鶏ガラの下処理を徹底している」と三代目の福井雅人さん(52)。かつては市内に多くの店があったが、後継者不足などで閉店が相次いだ。白系を今に伝えるのは、同店などわずかにとどまる。

バリエーション豊かな徳島ラーメンだが、共通する特徴も多い。ご飯に合うよう細めのストレート麺を使い、具には青ネギ、メンマ、ゆでモヤシ。肉は店によって、甘辛豚バラとチャーシューを使い分ける。黄系で甘辛豚バラを使う店もあれば、茶系でチャーシューの店も。両方用意する店も少なくない。

スープもはっきりと分類できるわけでなく、茶系か黄系かラーメン通の間で見解が分かれる店も。どの店も味のベースとして豚骨を使っており、副材料やタレの味で個性を競っている。

豚骨スープが普及したのは、かつて日本ハムの前身である徳島ハムが立地し、工場から出る豚骨が大量に安く入手できたことが背景にある。「現在は徳島工場から豚骨の外販はしていない」(日本ハム広報)というが、地元に独自のラーメン文化を根付かせる原動力となった。

食べ歩きで店ごとの個性を比べるのも楽しい。ついつい白飯も注文してしまうので、食べ過ぎにご注意を。

<マメ知識>生卵入れる?入れない?
 「茶系」の店を中心に、徳島独特のトッピングとして定着している生卵。観光客には人気を博しているが、地元客で注文する人は意外と多くなく「徳島の人で注文するのは1~2割程度」(いのたに)という店もあるほど。白飯との相性を重視する人は、スープの塩気が薄まるのを嫌うようだ。
 一方で、最近はラーメン東大など生卵を無料提供する店も増えつつある。別容器で溶き卵にして味付けバラ肉をすき焼きのようにつけて食べたり、卵かけごはんにしたりと、新しい使い方が生まれている。

(徳島支局長 畠山周平)

[日本経済新聞夕刊2017年12月26日付]

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