窓掃除、ぬらす前にホコリ取り 車用はっ水剤が効く
大掃除のシーズンたけなわ。日ごろなかなかやらない窓掃除は、忘れずに行いたいもの。窓ガラスがピカピカになると、家の中が明るくなる。窓を手早くきれいにする方法をプロに聞いた。
窓掃除というと、いきなり窓ガラスをぬらして拭く人が多い。しかし住まい方アドバイザーの近藤典子さんは「まず乾いた状態で、ホコリを取り除くことが大切」と指摘する。ホコリは湿気を含むと貼り付きやすい。窓に貼り付いて定着すると、そこにダニが寄ってきたり、カビが生えたりする。「砂ボコリが付いたままこすると、ガラスを傷つける恐れもある」
ストッキングでたわしを作る
そこで近藤さんがすすめるホコリ取りの道具が「ストッキングたわし」だ。古いストッキングの片足のつま先から20センチほどをカット。その中に残りを詰めて口を結べば出来上がり。これで窓をなで拭きしていくと、ストッキングが静電気を起こし、ホコリを吸着してくれる。
ホコリを落としたら、次は洗い拭き。ハウスクリーニングサービスを提供するおそうじ革命(東京・北)の技術管理部長、山本裕貴さんによると、用意するのは食器用洗剤と雑巾2枚、バケツ、スクイジーだけ。スクイジーとは洗い拭きしたあとの汚水を回収するT字型の水切り道具。100円ショップなどでも手に入る。手早い窓掃除のために、ぜひ入手したい道具だ。室内側の窓際の床は、新聞紙やビニールシートで養生することも忘れずに。
窓の汚れには、外側なら排ガスや雨の中に含まれる不純物、内側なら手あかや調理時の油を含んだ水蒸気などがある。これらは専用クリーナーでなくても「食器用洗剤に含まれる界面活性剤で分解できる」と山本さん。中性なので金属のサッシ部分に付いても腐食のリスクがない。
バケツに水をためて、食器用洗剤をごく少量入れて掃除溶液を作る。バケツの水をかき回して、ほんの少し泡立つ程度が適量だ。山本さんは「濃度が高すぎると、水切りしても白い筋が残る。逆に薄すぎると、窓に溶液を伸ばしにくい」と注意する。
溶液に雑巾1枚を浸し、したたらない程度にゆるく絞って、円を描くように窓を拭いていこう。雑巾は硬く絞らないのがポイント。溶液をたっぷり含んだ"ゆる雑巾"は、窓に貼りついた汚れを浮かして洗う役割を果たす。
洗い拭きしたら、乾かないうちにすかさずスクイジーで窓の水分を切る。水切りには横引きと縦引きがあるが、山本さんは横引きをすすめる。スクイジーを横に構えて窓に当て「右利きなら左端から右端にスーッと水平に引く」。左利きなら逆方向だ。これを上から繰り返す。体から外に腕を開いていく動きが、初心者にはやりやすいという。
スクイジーを上手に使いこなすには、いくつかコツがある。まず「先端のゴムが少し湾曲するくらい、ぐっと押しながら、ゆっくりと最後まで一気に動かすこと」と山本さん。軽い当て方だったり、途中で止めたり離したりすると筋が残りやすい。
スクイジーを真っすぐにせず、少し斜めに傾けながら動かすのも重要なポイント。「水が垂れる方向を1つにするため」(山本さん)だ。
傾けることで水がスクイジーの下に逃げ、上部には筋が残らない。もう一方の手に先ほど洗い拭きで使った雑巾を持ち、垂れてくる水を受けながら行うとよいだろう。山本さんは「一線引くごとに、雑巾でゴム部分を拭くと、次の辺に余分な水分がつかず、きれいに仕上がる」と話す。
車用のはっ水剤 仕上げに塗る
スクイジーで水を切り終わったら、窓の四隅に残った水分を乾いた雑巾で拭き取ろう。スクイジーのコツさえつかめば、スピーディーに水切りができ、筋がついたり水が残ったりしない。四隅以外のから拭きは不要だ。ただし、すりガラスや型板ガラスなど、面に凹凸のある窓にはスクイジーを使えない。このような窓は水拭きしよう。
近藤さんは窓掃除の仕上げに「車の窓用のはっ水剤を外側に塗る」ことを提案する。雨をはじくので汚れが付きにくくなり、一度塗ったら、半年から1年は窓の透明感が持続するという。窓用はっ水剤は「スプレータイプより、もちのよい固形タイプを選んで」(近藤さん)。ピカピカの窓で新年を迎えたい。
(ライター 松田 亜希子)
[NIKKEIプラス1 2017年12月23日付]
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