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伊藤ハムがニュージーランド産牛肉「ファイブスタービーフ」の売り上げを伸ばしている。立役者の一人が傘下の伊藤ハムミート販売東の千葉営業所長、栗原隆治さん(49)だ。配属された16年に営業所の売り上げを前年比約2割増やし、17年には営業所が食肉事業本部長賞を受賞した。客の要望にとことん応えることで信頼を得ている。

「チラシに入れた商品を発注するのを忘れていた」。ある夜、取引先のスーパーから悲鳴のような電話がかかってきた。

広告に載せたのに、このままでは次の日売り場に肉が並ばない。取引先の発注ミスだ。栗原さんに責任はないが「犯人捜しをしても仕方がない」とすぐに対応を始めた。

急いで本社の仕入れ担当部署に連絡をとり「肉を社内中からかき集めた」。他の予定を返上してその夜のうちに商品を店に納入。翌朝の開店に何とか間に合わせることができた。栗原さんの社内ネットワークと機動力が取引先の窮地を救った。

売り場を任せてもらっている取引先で商品を切らすことだけは避けなければならない。台風で配送が混乱しても仕入れた数量が少なくても、何とか商品を手当てする。

「どんなに無理な頼みでも必ず応える」。それが栗原さんの信条だ。そうして信頼を積み重ねると、取引先の食品スーパーから「こういう肉が欲しい」と持ちかけられることも少なくない。

◇     ◇

営業所長として率先して取引先に足を延ばす。「売り場に牛肉が少ないように見えます。足りないようなら持ってきましょうか」。千葉県市原市のスーパー、せんどうに着いた栗原さんは真っ先に売り場を確認し、肉の過不足から売り場の見せ方まで矢継ぎ早に助言して回った。

せんどうは海外産牛肉のメイン商品として伊藤ハムのファイブスタービーフを扱う得意先だ。発売初年度の2016年に140トンを販売した。前年の豚肉や鳥肉を含めた肉全体と同規模の取引量で、17年はさらにその2倍の販売を見込む。

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