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歴史小説、新人豊作の年 デビュー作が直木賞候補も

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歴史・時代小説の世界で期待の新人が多数登場している。デビュー作がいきなり直木賞候補になった作家もいて、評論家は「今年は大豊作の1年」と振り返る。どんな作品が生まれたのか。

今年7月の第157回直木賞。候補作の中に佐藤巖太郎の単行本デビュー作「会津執権の栄誉」(文芸春秋)があった。戦国時代末期、伊達政宗に狙われた会津の名門芦名家の衰亡を、家臣や武将ら複数の視点で描いた連作短編集だ。デビュー作がいきなり直木賞候補になるのは近年では異例だ。直木賞は逃したが先月、第7回「本屋が選ぶ時代小説大賞」に選ばれた。

着想・展開が斬新

「今年は10年に1度の豊作」と振り返るのは、文芸評論家の細谷正充だ。中堅やベテランだけでなく、新人が多くの秀作を生んでいるというのだ。その細谷が中でも注目するのは、9月刊行の「乱世をゆけ」(角川春樹事務所)だ。

織田信長に仕えた滝川一益の半生を描いた佐々木功のデビュー作。「一益を主人公に置くアイデアは、ありそうでなかった。そこに忍者説を取り入れながら、歴史小説として見事に着地させている」と細谷は評価する。

佐々木は40代の会社員。10年ほど前、「歴史ブーム」が再燃したころに小説執筆を志した。当初は信長を書きたかったが、既に多くの小説があるため「その重臣で、謎の多い一益をクローズアップした」と話す。すると忍者かもしれない、親を殺したかもしれない、など興味深い史実が目に付き、「甲賀の忍び上がりの土豪」という設定を思いついたという。

5月に出版された佐藤恵秋の「雑賀の女鉄砲撃ち」(徳間書店)も、評価は上々だ。鉄砲の扱いで名高い紀州雑賀衆の太田家の四姉妹のうち、四女を主人公にした戦国活劇。文芸評論家の縄田一男は「信長や秀吉との交流に宿敵との闘いがテンポよく描かれ、手に汗握る出来栄え」と太鼓判を押す。

細谷、縄田がそろって推すのは30代の今村翔吾のデビュー作「羽州ぼろ鳶(とび)組」(祥伝社文庫)シリーズだ。江戸城下で活躍した出羽新庄藩の火消しを描いた時代小説で、業火を前に命を張る男たちの勇姿と、見守る家族の姿が胸を打つ。3月から「火喰鳥(ひくいどり)」「夜哭烏(よなきがらす)」「九紋龍」の3冊が出ているが「並々ならぬ筆力」(細谷)、「題材が珍しく新鮮」(縄田)と絶賛されている。

マイナー武将に目

なぜ今、歴史・時代小説に有力新人が多いのか。「乱世をゆけ」の佐々木は「子供の頃から山岡荘八や司馬遼太郎、池波正太郎の作品を愛読していた」と振り返る。加えて戦国時代を描いた漫画や「信長の野望」に代表されるゲームにも親しんだ。その中で信長や豊臣秀吉、徳川家康だけではない"マイナー武将"への愛着がわいたという。最近の新人の作品にはこうした、有名武将の周辺の人物に目を向けたものが多い。

和田竜「のぼうの城」(小学館文庫)のヒットや、刀剣ブーム、さらには天野純希や木下昌輝といった気鋭の作家の登場も背景にあるようだ。天野は「信長嫌い」(新潮社)で、木下は「敵の名は、宮本武蔵」(KADOKAWA)で、複数の視点からの連作短編という手法を使い、新しい信長像や武蔵像を打ち出した。「今年の新人らもその流れをくんでいる」(細谷)

木下は「歴史小説を書いている意識はない」と語る。「トランプ米大統領をテーマに書きたいと最近よく思う。どこまでが歴史小説なのか、世に突きつけるようなものを書きたい」。こんな実験や挑戦の精神が、今の歴史・時代小説界にあふれているようだ。

=敬称略

(文化部 近藤佳宜)

[日本経済新聞夕刊2017年12月12日付]

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