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現代美術、宿でどっぷり鑑賞 企画展や客室に作品

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アートを楽しめる宿泊施設が増えている。現代美術の企画展を開いたり、客室に作品を置いたり。作品をゆっくり鑑賞できるホテルが増えれば、美術愛好家の裾野も広がりそうだ。

京都市中京区の住宅街。細い路地に築70年近い京町家を改装したホステル「kumagusuku(クマグスク)」がひっそりとたたずんでいる。

トイレ・階段にも

玄関を開けてすぐ、はしごのような階段を上ると、約30平方メートルの展示スペースがある。現在は写真家の澁谷征司の作品が壁一面に並ぶ。4つある客室の壁にも澁谷の写真がかかり、来年8月までホステル全体が個展会場になっている。

「共同トイレの鏡や階段も別のアーティストの作品になっている」と話すのはホステルを運営する美術家の矢津吉隆氏。立体作品を国内外で発表する矢津氏だが、日本では一般の人が現代美術をじっくり鑑賞できる機会が少ないことに疑問を感じていた。

美術館で個展を開催できるのは著名アーティストがほとんど。大規模な芸術祭では、来場者は幾つもの作品を見るために会場を巡るのに忙しく、1つの作品を長々と見るわけにはいかない。一方、小さくて静かな画廊では、多くの人が15分程度しか滞在しない。矢津氏は「宿泊施設なら少なくとも7~8時間は滞在するので、好きな時間に作品をゆっくり見てもらえる」と考え、2015年にクマグスクを開業した。

朝と夜で違う顔

20~30歳代の女性を中心に、客室の稼働率は8割と好調だ。「同じ作品でも朝と夜で違った印象に見えるといった感想もあり、美術の新しい魅力に気づいてもらえる」(矢津氏)。今後は映像作品を中心に展示する、別の宿泊施設をつくる計画だ。

同じ京都市で美術商が軒を並べる「古門前通」に11月に開業した高級ホテルが「ART MON ZEN KYOTO」だ。運営するのは明治創業の美術商、中西松豊軒。客室には同社が扱う古美術品から現代アートまで「自信をもっておすすめできる作品を展示している」(中西輝之社長)。客室は全て天井の高さが3メートルあり、広々と作品が映える空間にした。

老舗の美術商には常連客が多い半面、初めての客がふらりと立ち寄りにくい雰囲気がある。「ホテルなら多様な人が利用する。たとえ美術好きではなかったとしても、ゆったりとした空間で眺めているうちに気に入る作品が見つかるかもしれない」(中西社長)。美術に関心をもつきっかけになればと期待する。

東京都杉並区の「BnA hotel Koenji」は、アーティスト支援の新たな枠組みづくりを目指している。地下にギャラリーを併設したホテルで、2室ある客室はそれぞれ現代美術家の高橋洋平と荻野竜一が建築家と一緒にデザインした。客室そのものを2人の作品と位置づける。

BnAの経営陣はいずれも海外での滞在経験が長い。田沢悠代表は「欧米では気軽に現代美術を買う人が多いのに、日本ではそうした習慣が根づいていない」と語り、有望な作家が作品を売って所得を得られるだけの美術市場が育っていないと指摘する。

そこで客室の監修を美術家に任せ、宿泊代の一部を作家に還元する仕組みを考案した。「パトロンのように美術家を支援するホテルにしていきたい」という。

16年に開業して以来、客室はほぼ予約で埋まっている。主に欧米の美術愛好家やクリエーターが利用しているという。「彼らは常に生きのいい美術家や作品を探していて、日本への関心も高い」(田沢代表)。1階のフロントにはバーを併設し、美術家や宿泊客、地域住民が気軽に交流できるようにした。今後は東京都内と京都市に同様のホテルを開業する予定だ。

目当ての作品を見るために展覧会に出かける。そうした従来のスタイルとは違う美術体験の場が増えているようだ。

(文化部 岩本文枝)

[日本経済新聞夕刊2017年12月11日付]

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