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難病・希少疾患に患者会の支え 悩み共有し、不安緩和

境遇同じ、知識も得られる

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NIKKEI STYLE

病気にかかると誰もが弱気になるもの。治療の見通しが立ちにくい「難病」や患者数が少ない疾患だとより不安が募りがちだ。病気の正確な知識を得て不安や疑問の解消を図る場のひとつが、同じ病気や症状を持つ人が集う「患者会」だ。近年は家族や専門家も巻き込んで、患者の生活を支える活動が広がっている。

11月下旬、新潟市で開かれた「骨髄異形成症候群(MDS)連絡会」(東京)主催のフォーラム。「MDSの治療成績は徐々に向上しています」。血液内科の専門医の言葉に、患者や家族ら約50人の参加者が一斉にペンを走らせた。専門医が疾病の構造や治療法を説明したほか、MDS経験者らが体験談を紹介した。

新潟市の自営業の男性(79)は義理の娘が2年前にMDSを再発、「本人や息子には病気の詳細や配慮すべき点を立ち入って聞けないので困っていた」とフォーラムに参加した。「患者でもなければ専門医の話を聞く機会はない。正確な知識を基に息子夫婦をサポートできれば」と話す。

MDSは骨髄内の造血幹細胞に異常が生じて、白血球や血小板などが減る疾患。国内の患者数は約1万1千人と推定される。病気を改善させる薬物療法や根治を目指す移植療法、輸血などの支持療法がある。

「血液疾患は自覚症状に乏しく、患者は突然『見通しは暗い』と診断されて孤独感に襲われやすい」とMDS連絡会の橋本明子副代表。「長期におよぶ治療など同じ境遇の人たちで情報交換したり、悩みを打ち明けたりできる患者会の存在は重要」と指摘する。

難病患者ら向けに各都道府県は「難病相談・支援センター」を設置、相談対応や情報提供、交流会の開催などを手がける。東京都は今年から医療相談の窓口を医療機関に集約したが、診断の受け止めや日常生活の支えなど主に精神面のケアを一部の患者会が担う。

毎月第4月曜日、都の広尾庁舎で開く「膠原(こうげん)病患者交流会」もその一つ。11月の会に初めて参加した新宿区の女性(44)は「インターネットの情報しかなくて不安だった。日常生活でどの程度まで無理しても構わないのかといった、同じ病気の患者特有の疑問は多い」と話す。

全国膠原病友の会(東京・千代田)の秋成京子・東京支部長は「ネット上には患者が憤って書き込んだ『理不尽な扱いを受けた』など否定的な内容も多い。対面だと前向きな肉声を聞くことができる」と語る。

患者会の立ち上げを後押しする制度もある。

一般社団法人日本難病・疾病団体協議会(JPA、東京・豊島)の「患者会リーダー養成研修」は厚生労働省の補助事業。患者会の設立から運営までのノウハウを伝える。研修を受けた社会福祉士、海道志保さん(27)は8月、希少疾患「マッキューン・オルブライト症候群(MAS)」の患者会を立ち上げた。

5歳でMASの症状の一種「線維性骨異形成症」と診断されて以来、骨の変形が続き、骨を削る手術を繰り返した。15年2月にMASと診断されたのを機に、患者会の結成を決意。NPO法人「大阪難病連」(大阪市)のホームページなどで患者を募った。会員は現在5人。「患者会をつくったことで情報が一気に集まるようになった」(海道さん)

患者会にはすでに治療を経験した人も参加している。MDS経験者で、骨髄移植の手術後に社会復帰した後藤千英さん(40)もその一人。「知識や時間の制約から主治医に疑問をぶつけられない患者は多いはず。患者会の活動を通じた知識の獲得で、医師との対話に必要な『患者力』が身に付く」と強調する。

◇  ◇  ◇

専門医が関与の会も 根拠に乏しい情報には要注意

医学的知識も得られる患者会の"効能"は医療関係者も認めるところだ。公益財団法人難病医学研究財団(東京・千代田)の「難病情報センター」サイトでは患者会の検索が可能。最近は専門医と情報を共有する患者会も増えており、主治医に確認する方法もある。

MDS連絡会の顧問も務めるNTT東日本関東病院(東京・品川)の臼杵憲祐・血液内科部長は「MDSに関しては学会で情報を共有しており、血液内科医の間で初期の治療法に大差はない」と指摘。そのうえで「自分の症状や治療法が一般的かどうかを把握するためにも、患者会での情報交換には意義があると思う」と話す。

参加の際は、個人の意見や根拠に乏しい情報をうのみにしないよう心がけたい。一方で「インターネットで情報が入るからと、若い人が患者会に参加しなくなっている」(森幸子JPA代表理事)との声もある。参加者の顔が見えるという活動の特徴をふまえて、自身の治療や病気を持つ家族の支援などにうまく取り入れられそうだ。

(嘉悦健太)

[日本経済新聞夕刊2017年12月7日付]

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