高齢化で消費は減る? 食事や娯楽、個人の意欲衰えず

豪華列車の旅は高齢者の人気が高い 東京急行電鉄の「ザ・ロイヤルエクスプレス」で伊豆に出発する乗客(横浜駅)
豪華列車の旅は高齢者の人気が高い 東京急行電鉄の「ザ・ロイヤルエクスプレス」で伊豆に出発する乗客(横浜駅)

高齢化が進んでいるとよく聞くけど、経済にはどんな影響があるの? 高齢者はお金を使わないイメージがあるけど、本当にそうなの? 小売業など企業はどんな対策をとっているのかな。

高齢化が消費に与える影響について安斎あずささん(56)と木村恵さん(37)が、田中陽編集委員に話を聞いた。

――高齢化や人口減は消費を弱めるのでしょうか。

マクロ的にみれば、そのようにいえるでしょうね。人口構成の状況と国内家計最終消費支出の推移をグラフにすると、今から20年ほど前に大きな転換点を迎えていることが分かります。人口構成では高齢者(65歳以上)の数が子ども(14歳以下)を上回るとともに、生産年齢人口(15~64歳)がピークを付けました。一方、それまで急拡大を続けていた消費支出の伸びは明らかに鈍化しています。

しかしミクロ的にみると違った側面もあります。高齢者はお金を使わないイメージがありますが、そうとも言い切れません。全国消費実態調査(総務省、2014年)によると1世帯の消費支出は50歳代前半をピークにして高齢者ほど減っていきます。高齢者世帯は単身や夫婦だけのケースも多く、世帯人員は少ないです。1人あたりでみれば高齢者の消費支出は壮年層とあまり変わりません。つまりちゃんと消費しているのです。

――高齢者は何にお金を使っているのでしょうか。

高齢者ほど消費が増える項目としては、食料、光熱・水道、保健・医療、教養娯楽などがあります。食料は少量でも良いものを食べているということでしょう。家計調査(総務省、16年)によると、家計支出に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」は30~59歳では25%程度ですが、60歳代は約29%、70歳以上は約31%となっています。エンゲル係数はほぼ全世代で上昇傾向にありますが、高齢者は特に最近の上昇が目立ちます。

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