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ウォームビズはスマートに 素材で温かさ演出

2017/11/20付 日本経済新聞 夕刊

オフィスなど室内の暖房温度を20度と低めに保つ「ウォームビズ」が11月から始まった。重ね着などの工夫で暖房の過度な使用を控える取り組みだが、着膨れが気になったり、着こなしがワンパターンになったりしがち。ウォームビズをスマートに着こなすヒントを探った。

ウォームビズは、環境省が提唱する地球温暖化防止策の一環で、2005年から始まり、毎年11月から3月まで続く。

「ウォームビズの着こなしで気をつけたいポイントは、ウォーム感、スタイリング、機能性の3つ」と話すのは、阪急メンズ東京(東京・千代田)の山口亘祐・パーソナルサービス部長だ。

起毛のある素材を選ぶと温かい印象になる

山口さんは「着ている自分が暖かいだけでなく、接する相手にも温かみ、ウォーム感を与えることを意識してほしい」と強調する。その際にカギとなるのは素材選びだ。「色や柄に目が行きがちだが、素材を変えるだけで季節感を出せる」と山口さん。「ウールやカシミヤ、ツイードなど秋冬用の素材をうまく取り入れることで、温かい印象を与えることができる」とアドバイスする。

光沢感のあるスーツやジャケットは冷たい印象を与えがちだが、起毛のある素材を選ぶことで差別化が図れる。綿素材のドレスシャツも、起毛加工のものなら温かみが出る。靴やベルトなど小物にスエード素材を使うのも効果的だ。

「普段使っているシルクのネクタイやポケットチーフを、ウール素材に変えるだけで季節感がぐっと上がるし、おしゃれな印象。ビジネスの場なら、それだけで、服装に気を使っている人、という印象を相手に与えることができる」(山口さん)。「コーディネートやアイテムに、季節の素材を積極的に取り入れるのがファッションを楽しむコツ」という。

■オーバーサイズは厳禁

また、スタイリングの基本として注意したいのがサイズ選び。山口さんは「日本の男性は、オーバーサイズを選びがち。動きやすいという錯覚があるようだが、余分な生地をまとうことで着心地は悪くなる」と指摘する。「無駄なシワやダボつきがルーズ感を生み、相手に良い印象を与えない」と注意を促す。

特に、カーディガンやセーターなどニット類は、素材が柔らかい分、合わないサイズを着ると、だらしなく見える。

ジャケット下などに合わせるニット選びでお薦めなのは、編み目が詰まったハイゲージのもの。「薄くて軽いのに暖かい」と山口さん。ジャストサイズのジャケットやスーツの中に着ても、着膨れしにくく、動きが制限されないのもいい。

■ベスト着用でフォーマル感

また、ウォームビズアイテムとして最近、ベストが注目を集めている。体の中心部を温めてくれる上に、スリーピースで合わせればフォーマル感も出せる。山口さんは「単品でジャケットの下に1枚入れるだけでも様になるし、ジャケットを脱いでも、シャツ1枚のときよりスッキリ見える」と利点を挙げる。

外回りの多いビジネスパーソンにとって、オフィス内外の温度差も気になる。「冬は暖かくしたいが、暑くなるのも避けたいという人は多い」と話すのは、洋服の青山池袋東口総本店(東京・豊島)の橋本匡平総店長。

こうしたニーズに応える商品として17年に登場したのが、透湿速乾素材を用いたスーツだ。「もともとはスポーツウエアに使われていた素材。寒い時には熱をため、暑い時には湿気を蒸発させて涼しくする」(橋本さん)。衣服の中の湿度と温度を快適な状態に調整する機能が特長だという。

また、ジャケットのように簡単には脱ぎ着できないアンダーウエアも体温調節の点では気になるところ。橋本さんは「従来の発熱機能素材のものだけでなく、吸湿性や保湿性を高めた素材を使った商品も出ている。そうしたものを選ぶことで、暖かく、かつ暑くなりすぎずに過ごすことができる」と助言する。

(ライター 李香)

[日本経済新聞夕刊2017年11月20日付]

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