スピード洗車術、段取りと小道具で時間半減日陰からスタート、高機能タオルを使用

NIKKEIプラス1

紺など色の濃い車は汚れが目立つ。機械洗車は細かい傷が心配で、プロの手洗いは費用が気になる。自分で洗えばきれいに保てるが、いつもの半分程度の時間で済む方法はないか。

記者(46)の愛車・多目的スポーツ車(SUV)は車体が大きく、洗車は大仕事。時間はどれほどかかっているのか。向かったのは都内のコイン洗車場。洗うのは窓を含む車体だけで、タイヤとホイールは水をかけただけだが、タオルで水滴をふき取り終えたときには45分が過ぎていた。

時間を無駄にしているかもしれない、と気になったのは屋根を洗っているときだ。フタを閉じると台としても使えるバケツの上に乗って作業した。バケツの中には水で薄めた洗剤を入れており、スポンジを浸すには毎回フタを空けなければならなかった。

タオルでのふき取り作業も時間を浪費した。1枚では足りないので5~7枚用意したが、周囲は車体も足元も水浸し。このためタオルはトランクに入れ、手元の1枚目が吸水しきれなくなったら2枚目を出していた。

それでもピカピカとはほど遠い仕上がりだった。秋なのに気温が30度近くに上昇。作業に無駄が生じる分、ふき取る前に水滴が太陽の熱で蒸発して渇き、水あかがたくさんの筋となって残ったためだ。

もっと短時間で美しく輝かせたい。目標は「時間半減」。その道のプロにワザを聞き回り、再挑戦することに。

まず、水で薄めた洗剤はバケツになみなみ(約10リットル)入れるのではなく、半分の5リットルに抑えた。洗剤をキャップで計る回数や水を注ぐ時間が半減し、バケツを水くみ場から車まで速く運べる。洗剤の原液は多めに入れていたが、すすぐ際に泡切れが悪くなるので、きっちり計った。

コイン式の高圧放水機による水洗いは持ち時間(500円で5分間)の半分、2分30秒に抑えられた。今回使った施設は放水を中断しても5分以内に再開すれば、残り時間が使える。水を止めている間に洗剤で車体を洗い、残り時間ですすぐことにした。

それでも時間が足りなければ100円で1分ずつ放水時間を延ばせる。ポケットから取り出すのをやめ、コイン投入口そばに硬貨を並べて、すぐ投入できるようにした。

スポンジに洗剤を含ませてこする作業は約6分。前回より3分ほど短縮できた。脚立をバケツとは別に用意し、「日陰から始めて日なたは最後に回す」(洗車用品メーカー、イチネンケミカルズの柄沢浩一商品企画室課長)との助言に従ったのが功を奏した。

直射日光が当たる側は気温が多少低くてもすぐ乾く。洗剤がそのまま乾くとシミの原因となるため「もう一度洗剤をつける羽目になる」。

すすぎを含めた合計の放水時間は7分で足りた。これに中断時間や洗剤の用意をする作業時間を加えると約14分。自己流のときはここまで23分かかった。要領はよくなったが、このままでは時間半減の目標は達成できない。

時短の鍵を握っていたのは、水のふき取り作業に使った特殊なタオルだ。ポリビニルアルコール(PVA)でできており、吸水性が高く、軽く絞ればほとんどの水分を排出できる。「車体の上に広げて引っ張れば水がふき取れる」(洗車サービス、シュアラスター ラボの青木潤氏)ため、タオル1枚で済んだ。

終了までの合計時間は23分。1回目の半分に短縮できた。目標達成だ。はっ水性のあるコーティング剤を後から塗っても約30分で済んだ。

個人的には、ディーラーで点検を受けたときの無料洗車サービスとほぼ同じ水準、と胸を張れる輝きだった。脚立を除けば道具はバケツにすべて入る。時短でかつ簡便なこのワザがあれば、ドライブ中に見つけた洗車場で気軽に洗車ができそうだ。

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プロのサービス うまく活用

プロに下地を整えてもらうと日々の洗車時間が短縮される

車をきれいにしたことで気になったのが、ボンネットや屋根にできた無数のシミやざらつき。空気中の油分や鉄粉、雨水などが原因だ。車体の表面を侵食しているため、洗剤とスポンジでは落ちない。

シミはコンパウンドと呼ばれる研磨剤、鉄粉は特殊な粘土でこすれば取り除けるが、浮き上がった汚れを洗い流す必要がある。混雑する週末のコイン洗車場で放水機を長時間占有するのは難しい。

イチネンケミカルズの柄沢さんのお勧めは自動車メーカーが提供する納車時のコーティングだ。料金は5万円前後かかるが、年に1回の無料メンテナンスがつくプランも。プロのサービスもうまく取り入れることが時短洗車につながるようだ。

(小山隆史)

[NIKKEIプラス1 2017年10月28日付]

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